この記事では、「調整」と「調製」の違いを分かりやすく説明していきます。
「調整」とは?
物事を正しい状態にすること、過不足のない状態にすることです。
基準からずれているものを正しい基準にする、不足していたり、多かったりするものを適切な状態にするといった意味です。
豆乳には、味を整えているものと、砂糖などは加えず味を整えていないものがあります。
この言葉は砂糖などを加えているものを指しています。
砂糖などは、味を調えるために加えるものです。
豆乳の原料である大豆は、産地や季節によって味が変わります。
けれども、砂糖などを加えれば、いつでも同じ味をつくり出すことが可能です。
味には基準があります。
それは機械などで測定することが可能です。
この基準にあうように、そのときどきの天候や大豆の風味などによって、何をどれくらい加えるのか決めて、その通りに製品が作られます。
そうすることで、いつでも同じ味のものができあがります。
これによって、消費者はいつでもどこでも同じ味のもの購入することができます。
「調整」の使い方
食品、意見、目標、体調など、さまざまな事柄について使用することができます。
何か満たすべきものがあり、それにあうようにすることをいいます。
「調製」とは?
求めに応えるかたちで作ることです。
和菓子を手土産にすることにしたとします。
ある店では、好きな和菓子を選んで箱に詰めてくれます。
すでに中身が決まっているものではありません。
好きなものを選べるので、栗羊羹、普通の羊羹、まんじゅうなど、いくつかを選んで箱に詰めてもらいました。
これは、客が注文をしてから行われるものです。
注文に応じて作っているのです。
法事のときに、食事を提供することがあるでしょう。
いくつかのメニューから選べるようになっている店もありますが、店によっては何を出すのか選ばせてもらえることがあります。
客から「こうして欲しい」と要望があったとき、そしてその通りに形のあるものを仕上げるのです。
「調製」の使い方
注文にこたえる形で作ることを指して使用する言葉です。
すでにできているもののことではありません。
「調整」と「調製」の違い
前者はこうであるべきものにすることです。
正しい状態を指します。
後者は形のあるものにすることです。
こうあるべきものを満たすという意味ではありません。
意味が異なるため、どちらかの言葉に置き換えて使うことはできません。
「調整」の例文
・『成分無調整豆乳を料理に使う』
・『調整豆乳が飲みやすい』
・『スケジュールを調整する』
・『調整はまだ不十分だ』
「調製」の例文
・『法事用に調製しています』
・『弁当を調製する』
・『調製粉乳を与える』
・『自宅の工房で調製をしている』
まとめ
この2つの言葉は読みが同じですが、意味は異なります。
漢字がやや似ているので間違えやすく、文字を書くときには注意が必要です。