この記事では、「敷く」と「布く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「敷く」とは?
一言で「敷く」と言っても、たくさんの意味があります。
一面に平らに広げるや平らに並べたり、まき散らす。
下に押さえつける、設置する、配置する、広く行き渡る、といった意味あります。
そのため、それぞれの意味に応じた類語があり、「設置する」や「敷設する」、「配置につける」、「配属する」、「公布する」などとなります。
「敷く」の使い方
「敷く」は、様々な場面で用いられる言葉です。
平らに広げるといった意味では、「カーペットを敷く」や「砂利を敷く」。
下に押さえつけるといった意味では、「尻に敷かれる」。
配置するや広く行き渡らせるといった意味では、「鉄道を敷く」や「捜査網を敷く」などとなります。
「布く」とは?
「布く」は、限られた意味のみを持つ言葉です。
「布く」の場合、広く設置する、広く行き渡らせる場合のみ使用することができる言葉となります。
「布」には、ひろげる、広く行き渡らせる、という意味があり、そこから、このような意味で用いられる言葉となっています。
「布く」の使い方
限られた意味のみで用いられる言葉となる「布く」。
広く設置するといった意味で、「鉄道を布く」や「かん口令を布く」、「防衛隊を布く」などといった使い方となります。
「敷く」と「布く」の違い
「敷く」と「布く」を比較した場合、利用することができる範囲が大きく異なります。
「敷く」の場合、全般的に用いる事が可能な言葉に対し、「布く」は、一部の意味のみでしか使用することができません。
主な違いは、「敷く」の場合、平らに広げることを意味し、様々な場面で用いることができる言葉となります。
一方、「布く」は、広く行き渡らせる場合にのみ使用することができる言葉となり、そのため、使用範囲は限られます。
「敷く」の例文
・『このまま、親に敷かれたレールに乗って人生を歩むべきか迷っています。』
・『女房の尻に敷かれた息子は情けない。』
・『今までフローリングだったリビングの一部に畳を敷くことにしました。』
・『絶対にこの情報が漏れないよう、厳戒態勢を敷く。』
「布く」の例文
・『この国を海外から守るため、防衛隊を布くことになりました。』
・『わが村にも、やっと、鉄道が布かれることになって嬉しいです。』
・『厳戒態勢を布いて調査にあたります。』
・『この件については、かん口令が布かれているため注意してください。』
まとめ
「敷く」は全般的に用いることが可能な言葉。
そして、「布く」は、一部のみ用いることが可能な言葉といった違いがあります。
そのため、「敷く」は、「布く」とも置き換えることが可能な一方で、「布く」を「敷く」とは置き換えることができない場合が多いといった違いもあります。
そのため、迷った際は、「敷く」を用いたほうが安全です。
また、新聞などで「布く」が用いられることもありません。