「童謡」と「民謡」は音楽のジャンルのことで、表記や読み方は似ているもののそれぞれの意味は大きく異なります。
双方の正しい意味を学んで、音楽や日本語に関する知識を深めましょう。
この記事では、「童謡」と「民謡」の違いを分かりやすく説明していきます。
「童謡」とは?
「童謡」は「子どものために作られた歌」の総称で、近代以降に西洋音階を取り入れて作詞作曲された音楽のことを指し、民間で伝えられてきた「わらべ歌」や学校教育用に作られた「唱歌」は除外します。
子ども向けに作られた歌ということもあり、シンプルで歌いやすい作品が多いのが特徴です。
また、海外で子ども用に作られた歌を翻訳したものも含まれます。
「民謡」とは?
「民謡」は「地域の生活の中で誕生し、住民を中心に伝承されてきた歌」を指し、伴奏がなく手拍子などを伴って歌うのが特徴的です。
「労働の歌」や「子守歌」「お祝いの歌」といったジャンルがあり、地域の生活や行事に関連した歌が多くあります。
なお、海外の各地域で歌い継がれてきた歌を指す場合もあります。
「童謡」と「民謡」の違い
「童謡」と「民謡」は、「誰に向けられた曲か」という点や「歌の特徴」などに違いがあります。
「童謡」は「子どものために作られた曲」を意味し、子どもでも覚えやすい簡単でシンプルな歌詞やメロディーの歌が多いのが特徴です。
一方「民謡」は「それぞれの地域で生まれて歌い継がれてきた歌」を意味し、地域の特色や生活に関連した歌を独特の節回しを使って歌うといった特徴があります。
次に、「童謡」と「民謡」の違いを分かりやすく解説します。
「童謡」の例文
「童謡」は「わらべ歌」や「唱歌」を除いた子ども向けの歌のことで、「赤とんぼ」や「かごめかごめ」などが有名です。
海外生まれの童謡として知られているのは、「かえるのうた」や「野ばら」などです。
・『童謡の作詞家としてよく耳にするのは野口雨情や北原白秋などである』
・『小さい頃は祖父母と共によく童謡を歌っていた』
・『保育士の姉は、週末にピアノを使った童謡の弾き歌いを練習している』
・『いくつになっても、なぜかあの童謡のメロディーだけは覚えている』
「民謡」の例文
「民謡」は「地域のライフスタイルに沿って生まれ、長年にわたって伝承されてきた歌」を指し、千葉県の「大量節」や福岡県の「黒田節」などが有名です。
最近では、三味線や尺八の伴奏付きで歌われる機会も多くあります。
海外の民謡としては、イギリスの「ロンドン橋」やイタリアの「フニクリ・フニクラ」などが知られています。
・『山形県で生まれた花笠音頭は、土木工事がきっかけで誕生した民謡です』
・『日本最大民謡は、北海道の江差追分、茨城県の磯節、福岡県の博多節といわれている』
・『森のくまさんは、もともとアメリカの民謡だったらしい』
・『サイモン&ガーファンクルが歌うスカボローフェアは、イギリスで古くから伝承されてきた同名の民謡をカバーした曲である』
まとめ
「童謡」と「民謡」は生まれた背景や持ち味などに違いがありますが、両者とも耳にすると懐かしい気持ちになるという共通点があるといえます。
ぜひ参考にして、音楽や日本語についての豆知識としてストックしてください。