この記事では、「以外」と「除く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「以外」とは?
「以外」には2つの意味があります。
ひとつは、ある限られた広がりの外側です。
自分の仕事のことで考えてみます。
自分の仕事は事務です。
データを打ち込む、計算をする、書類を作成するなどを、室内で行っています。
基本的には営業をしたり、外に出て仕事をしたりすることはありません。
この人の場合、「自分の仕事」という限られた広がりが事務という仕事です。
それの外側は営業など外で行う仕事です。
「自分の仕事以外はやらない」といった場合は、事務の仕事しかやらないという意味になります。
もう一つの意味は、それではない他の物事です。
「食べること以外楽しみがない」といった使い方をします。
この場合、それが指すものは食べることです。
食べることではないこと、たとえば運動、映画鑑賞、掃除などは、他の物事にあたります。
「関係者以外立ち入り禁止」という看板をみかけることがあります。
それが指すものは関係者で、他の物事が指すものは一般の人など関係者でない人です。
「以外」の使い方
ある範囲の外側、それではない他の物事という意味で使用をします。
物、人、事柄など、さまざまなことに使用されます。
「除く」とは?
「除く」には3つの意味があります。
1つめは、取ってなくすです。
邪魔だから、余計だからなどの理由で取ってなくすことを意味します。
工場の生産ラインのことで考えてみます。
この工場では錠剤タイプのサプリメントを製造しています。
欠けているもの、変色しているもの、規程の重さでないものは、製品として販売することができない余計なものです。
こういったものを販売するものから取り去ることを「除く」といいます。
2つめの意味は、ある限られた範囲に加えないようにするです。
仕事の募集がありました。
そこには年齢不問と書かれています。
これなら自分にできると思ったのですが、「未経験者は除く」と書かれています。
この場合、未経験者は、募集している人という範囲に加えられていません。
3つめの意味は障害となる人などを殺すです。
「除く」の使い方
取ってなくす、加えないという意味で使用をします。
「以外」と「除く」の違い
2つの言葉は似たような事柄に使用されますが、意味は異なります。
前者は外側を指す言葉です。
後者は取り去ること、加えないことを指す言葉です。
「以外」の例文
・『それ以外に方法がない』
・『ピアノ以外に趣味はない』
・『風邪をひいているときにはおかゆ以外のものを食べない』
・『東京以外の街に住む』
「除く」の例文
・『母を除く家族で出かける』
・『水に浮かぶゴミを除く』
・『名簿から名前を除く』
・『料理に使う唐辛子の種を除く』
まとめ
似たような事柄に使われていますが、2つの言葉の意味は異なります。
一方はある範囲の外側のこと、もう一方はある範囲に加えないこと、取り去ることを指しています。