仕事などで使われる言葉として、「業」や「技」があります。
どちらも、「わざ」と読めますが、他にも読み方があり、意味もそれぞれ違います。
この記事では、「業」と「技」の違いを分かりやすく説明していきます。
「業」とは?
「業」には三つの読み方があります。
「ぎょう」、「ごう」、そして、「わざ」です。
「ぎょう」と読む「業」とは、仕事やつとめ、あるいは学問などの意味があります。
「本業」、「副業」、「業種」、または、「授業」などの言葉として使われています。
次に、「ごう」と読む「業」は、仏教用語で、身、口、意によって行う善悪の行為のことを言います。
または、前世での行いの報いのことです。
「自業自得」とは、自分でやった悪行を、自分で受けることを意味します。
さらには、「業腹(ごうはら)」の意味もあります。
「業を煮やす」は、思うようにいかずに腹を立ててしまうことです。
最後に、「わざ」と読む「業」は、行いやしわざ、あるいは、動きなどを表します。
「神業」とは、神のしわざや、人間離れしたような凄い動作、または、神力としか思えないような不思議なことを言います。
他にも、「容易な業ではない」などのように、「こと」と言う意味合いで使われることもあります。
「技」とは?
「技」には、「ぎ」と「わざ」の二つの読み方があります。
「ぎ」と読む「技」は、腕前や手並みのことを言います。
「技量」は手腕のことを意味し、「技能」は仕事上であらわす腕前のことです。
「わざ」と読む方の「技」は、技術や技法のことです。
「技を磨く」は技術を向上させるために、経験を積んでいくことを意味します。
他には、柔道や相撲などで相手を負かす術のことも「わざ」です。
「寝技」もその一つです。
「業」と「技」の違い
「業」と「技」の違いを、分かりやすく解説します。
「業」と「技」は、いくつかの読み方があります。
なので、ここでは共通する読み方である「わざ」の意味の違いを取り上げます。
「業(わざ)」は行い、しわざ、または、動きなどのことを言います。
一方、「技(わざ)」では、技術や技法、あるいは技芸などの意味があります。
「業」はありさまを表しているのに対し、「技」は技能のことなので、この点の意味合いが違っています。
まとめ
「業」という漢字はもともと、楽器を掛けるための装飾を施した壁掛けを表した象形文字から成り立っていると言われています。
そこから、仕事や「わざ」というような意味合いを持つ言葉になっています。
「技」の成り立ちは、「手」と「支える」という2つの文字からできています。
もともとは枝を手で持つという意味で作られた文字のようです。
ここから「わざ」という意味を持つ言葉になりました。
どちらも「わざ」という共通した読み方がありますが、その漢字の成り立ちや語源が違う点は興味深いところです。
「わざ」という言葉を用いるとき、「業」なのか「技」なのか分からない時は、これらの漢字の意味を調べることで、使い分けがしやすくなるでしょう。