歴史や家系図をあらわす言葉には、紛らわしいものもあります。
この記事では、「代」と「世」の違いを分かりやすく説明していきます。
正しいニュアンスを知って、日々のライフスタイルに役立てていきましょう。
「代」とは?
「代(だい)」とは、何人の人がその地位を受け継いでいるのか、あらわす物差しのこと。
また重みのある役職を、先代から受け継ぐことです。
お店での挨拶言葉のひとつに「何代目ですか?」というフレーズがあります。
これはそのお店が、どのくらい続いているのか、暗に知るための言い回しです。
もし店のご主人が「初代です」と答えたら、店主みずからが開いたお店だということ。
また「5代目です」と答えたら、おおよそ江戸時代から続いている、歴史ある老舗だと分かります。
また「代」にまつわる言葉に「代替わり」があります。
代替わりというのは、店主や経営者、家長が変わるということ。
「取引先の社長が代替わりをした」や「父が居候して、息子に代替わりをおこなった」などと使います。
「代」とはその企業や家にまつわる、バトンタッチの回数です。
「世」とは?
「世(せい)」も、ひとつの地位や名前を、何人の人が受け継いだのか、あらわす指標のこと。
おもにヨーロッパの王族で使われる言葉です。
たとえばイギリスには「エリザベス2世」という有名な女王様がいます。
イギリス王室が作られたのは9世紀前後のため、2世というと少し歴史が浅いような気がします。
エリザベス女王が「2世」と名のっているのは「エリザベス」という同じ名前の女王が、およそ500年前にいたからです。
エリザベス被りをしているので、皇室の記録で間違えないように「2世」という区分けをしています。
ちなみにフランスの英雄といえば「ルイ16世」の名前が思い浮かびます。
当時「ルイ」という名前はとても流行っていました。
そのため「ルイ16世」のほかにも「ルイ2世」や「ルイ9世」「ルイ18世」も存在していました。
このように同じ名前の人を、区分けするための言葉が「世」です。
「代」と「世」の違い
どちらも時代をあらわす言葉です。
「代」と「世」の違いを、分かりやすく解説します。
・代は日本、世はヨーロッパ
「代」と「世」は同じように、漢字ひとつで表されるので非常に分かりにくいです。
ただ「代」は、そのお店の看板を何人の人が受け継いだのか、分かりやすくあらわしたもの。
「徳川家3代目将軍」は徳川家光ですが、これは初代の徳川家康から徳川秀忠、そして3番目に徳川家光が「将軍」という地位を受け継いだことをあらわしています。
そして「代」は「ルイ13世」や「ナポレオン1世」など、おもにヨーロッパの王室や貴族の間でつかわれる言葉です。
「エリザベス1世」と「エリザベス2世」のように、同じ名前の女王を、世で分けていることもあります。
日本の家や店は代、ヨーロッパの王室は世です。
まとめ
「代」と「世」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「代」はその会社やお店、家を何回目に受け継いだのかあらわすもの。
そして「世」はヨーロッパの王室でつかわれる呼称です。
違いを知ると、歴史がますます楽しく感じられます。