この記事では、「杜」と「森」の違いを分かりやすく説明していきます。
「杜」とは?
木がたくさん生い茂ったところ、特に神社にある木がたくさん生い茂ったところをいいます。
神社といっても、神域の広さはさまざまです。
小さな社だけがある神社もあれば、大きな拝殿があり、いくつもの摂社・末社があり、敷地が広い神社もあります。
そして、その神域内に木々をたくさん持っているところもあれば、木の数が数本というところもあります。
「杜」が意味するのは、木をたくさん持っているような場所です。
この言葉に神域の広さの意味は含まれていませんが、木をたくさん持つためには一般的には広い面積が必要です。
また、「杜」は神社に付随する土地にたくさん木が生い茂っている場合も指します。
この木は、もともとそこにあった場合もあれば、人間が植えた場合もあります。
人間が植えたものの例としては、明治神宮の「杜」があります。
ほとんどの木が献木で、その数は10万本ほどにもなります。
また、木の種類は数多くありますが、この言葉はどのような種類の木なのかは意味に含んでいません。
しかし、海外から輸入した日本にもともとないものではなく、日本にもともと生育している木であることが一般的です。
「杜」の使い方
神社にある木がたくさん生い茂っているところを指して使用する言葉です。
「森」とは?
木がたくさん生い茂っているところです。
土地が盛り上がっていないところで、木が生い茂っている場所を指します。
この場所にある木の種類は意味に含まれていません。
日本の場合は、スギ、ヒノキ、アカマツ、ケヤキ、ブナ、タブノキなどが多く見られます。
木の種類は地域によって異なります。
「森」には、木を人が植えたものと、もともとそこにあったものとがあります。
人が植える目的は、緑化のため、木材として利用するためなどです。
木材として利用されるものには、スギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツなどがあります。
「森」の面積はさまざまで、この言葉には何平方メートルだという意味は含まれていません。
「森」の使い方
木が生い茂っているところを指して使用する言葉です。
木の種類や木が生えている面積は意味に含まれていません。
「杜」と「森」の違い
どちらの言葉も木がたくさんある場所を指しているのですが、その場所によって使いわけています。
「杜」は神社の神域内やそれに付随する、木が生い茂っている場所を指します。
「森」は神社の神域内やそれに付随する場所と、それ以外の場所の、木が生い茂っている場所を指します。
「杜」の例文
・『鎮守の杜』
・『杜を訪れる』
・『杜の空気が澄んでいる』
・『この杜が好き』
「森」の例文
・『スギがたくさん生えている森』
・『森に足を踏み入れると涼しい風を感じた』
・『森にはたくさんの生物が住んでいる』
・『森に雨が降る』
まとめ
どちらの言葉も木がたくさん生えている場所を指していますが、そこが神域なのか、そうでないのかによって使いわけています。