この記事では、「離れる」と「離す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「離れる」とは?
「離れる」の主な意味は5つあります。
1つめは、くっついていたものの一方が動いて、くっついていない状態になるです。
人間は2本の脚で立っています。
歩行するときには、一方の足が地面にくっついていない状態になります。
このとき、地面は動かず、足の方が動いています。
これは「地面から足が離れる」といいます。
2つめは、あるものとあるものとの間に距離ができるです。
その位置から距離をとるです。
美術館の展示品は、ものによっては接近できないように囲いがされています。
このとき、やや距離を置いてみることになります。
これを「離れてみる」といいます。
3つめは、2つのものが距離をおいて存在している、一つであったものが別々になるです。
街中から山奥にある家までは距離があります。
2つのものは距離をおいて存在しており、「人里離れた人家」などと表現します。
何らかの理由で親と子が別々に暮らさなければならないことがあります。
これは「親と離れる」「子と離れる」といいます。
4つめの意味は関係がなくなるです。
ある事柄を話していたのに、別の事柄に話がいってしまったら、最初の話とは関係がなくなります。
これは「話が離れる」といいます。
5つめは役目や仕事をやめるです。
「職を離れる」といいます。
「離れる」の使い方
距離をおく、くっついていない状態になる、別々になるといった意味で使用をします。
「離す」とは?
「離す」の主な意味は4つあります。
1つめは、くっついているものを、ほぐしたり、ゆるめたりしてわけるです。
フセンは貼ったり、剥がしたりすることができます。
貼ってあったフセンをくっついていた部分からわけることを「フセンを離す」といいます。
2つめは、あるものとの距離をとる、あるものを遠ざけるです。
これは意識的に行われるものを指します。
2人がそれぞれ椅子に座っています。
1人が椅子を移動させて、もう1人から距離をとりました。
これを「席を離す」といいます。
3つめは、2つのものの間に距離を作る、差を作るです。
ランキングで1位と2位の差が、最初は5ポイントだったのですが、次の試合の結果によって15ポイントの差になりました。
これは「2位を離す」と表現します。
4つめは、目をはなすの使い方をして、視線を他に移すです。
「離す」の使い方
距離をつくる、くっついていない状態にするといった意味で使用をします。
意識的に行うものに使う場合が多いです。
「離れる」と「離す」の違い
くっついていたものを、くっついていない状態にすることや、距離をおくという意味が似ています。
「離れる」は意識的に行う場合もそうでない場合もいい、「離す」は意識的に行う場合をいうことが多いです。
「離れる」の例文
・『心が離れる』
・『子供から手が離れる』
「離す」の例文
・『机を離す』
・『2つの植木鉢を離す』
まとめ
くっついていたものを、くっついていない状態にするといった意味が似ていますが、使い方に違いがあります。