この記事では、「経過観察」と「治療中」の違いを分かりやすく説明していきます。
「経過観察」とは?
「経過観察」は、治療を一通り終えて、治療の成果を観察することです。
その上で「経過観察」は、一切の治療行為をやめて様子を見ることになるため、治療がある程度成功し、何も必要としないと医師が判断した場合、「経過観察」に移行し、治療行為のすべてを行わず、観察とします。
そして観察を続けていくうえで病状が再度現れたり、患者の様子が変化した場合、再度治療を行うかどうかを医師が判断します。
「治療中」とは?
「治療中」は今現在進行形で医療行為による治療に該当する処置を行っていることです。
医療行為による処置は、投薬の他手術による除去などの他化学療法などがあり、必ずしも特定の部位を切除する術式を指す行為だけではありません。
その為、温熱を使用したヒーターなどでの治療も、「治療中」となり、今現在進行形で病気や後遺症の治療を進行していると表現します。
「経過観察」と「治療中」の違い
「経過観察」と「治療中」の違いは、今現在において病状や後遺症の治療を行うか、様子を見て病状や後遺症がどのように変化するかを見るかです。
「経過観察」は、過去に治療をしていたのであればそれを中断して様子を見ることで、病状が変化した場合それに合わせて対応します。
一方で、「治療中」は今現在病気の症状や後遺症が出ており、それを優先して治すことです。
「経過観察」の例文
・『骨折で入院している山田さんは経過観察に移行します』
この例は、骨折で入院している山田さんに対して医療行為を行わず、様子を見るという例です。
「経過観察」は、治療をせずに様子を見ることなので、病状が変化した場合、再度治療を行います。
「治療中」の例文
・『山田さんは現在骨折の治療中です』
この例は、山田さんという人物が現在進行形で医療行為による骨折の治療を受けている様子を指し、骨折の場合、損傷個所をレントゲンで特定してから、ボルトで骨をつなぐという処置を行います。
なお「治療中」は、進行形なので、「経過観察」に移行するまで、医療行為は続きます。
まとめ
「経過観察」と「治療中」の違いは、治療という医療行為を継続していくか、治療行為をやめていったん様子を見て病状が変化するかを見るという違いです。
なお、治療をいったん辞めて様子を見ようかと判断するかどうかは医師により委ねられており、医師がそう判断した場合、「経過観察」は、医療行為を対象に施してはいけません。
逆に治療を継続する場合、「治療中」という事実が継続し、病気が完全に治療されるまでか、治療は不可能であると医師が諦めるまで継続します。
いずれにしろ、「経過観察」と「治療中」という扱いは医師に決定権があり、医師以外が自由にそれらのどちらを選択するかを自由に決める権利はありません。
これを自由にした場合、医者でない者が自由に治療行為を延長することができてしまい、必要のない医療が施される原因になるのです。