「血縁」と「地縁」の違いとは?分かりやすく解釈

「血縁」と「地縁」の違い専門用語・業界用語

人のつながりを指す言葉として「血縁」「地縁」があります。

どちらも昔から使われている表現ですが具体的にはどのような人間関係を意味する言葉なのでしょうか。

今回は、「血縁」「地縁」ノ違いについて解説します。

「血縁」とは?

「血縁」とは?

「血縁」とは、「血のつながりによる人間関係」を意味する言葉です。

正確に表現すると「祖先を同じくするもの同士の関係」となります。

一般的には「親族」を意味する言葉で、より広範囲で血のつながりが薄い場合をも含む関係性を表すのが「血縁」です。

「親族」だと互いの関係性を説明できる程度の近い関係を意味しますが「血縁」では血のつながりがあることは確かだがお互いの関係性を当人同士も正確に理解していないような遠く離れた関係者も含まれます。

生物学的な観点から厳密に考えると「血縁」と表現できる関係性は限定されることになりますが、現実的には生物格的な血統が遠く離れた人物であっても歴史的、社会的な関わりによって「血縁」とされることはよくあります。

全く交流がない相手であっても本家と分家など過去に血統的なつながりがあったことがはっきりとしている相手であれば「血縁」として扱われます。

「血縁」の使い方

・葬儀には血縁にあるものだけが参列した。

・血縁を頼って上京する。

・血縁のみが参加できる集まりが開かれる。

・困った時最後に頼りになるのは血縁だ。

「地縁」とは?

「地縁」とは?

「地縁」とは、「土地や場所に由来する人間関係」という意味の言葉です。

出身地や育った場所、現在住んでいる地域など「地理的な要因に基づいて成立している人間関係」を指して「地縁」と表現します。

住民同士の共同体やコミュニティなどの形で形成される関係性であり、人種や性別などとは無関係に地域性のみによって成立する人間関係を指します。

「地縁」の範囲に具体的な定義はありませんがあまり大きすぎる関係性に対して使われることはありません。

一般的には同じ町や村など比較的規模の小さい集合体で培われる関係性をさして使われることが多く「日本人」のような大きなくくりでつながる関係性ではなく、もっと小規模な顔見知りや知り合いを通じてつながる程度の関係性が「地縁」に当たります。

「地縁」の使い方

・消防団に参加しているのは地縁でつながった人たちだ。

・当選の要因になったのは地縁に頼った選挙運動である。

・災害時の助けあいでは地縁がもっとも重要である。

・地縁は一朝一夕に築けるようなものではない。

「血縁」と「地縁」の違い

「血縁」と「地縁」の違い

「血縁」「地縁」の違いは「先天的か後天的か」です。

「血縁」とは生物学的な血糖によるつながりであり、生まれ持って決まっている個人ではどうにもならない先天的なつながりです。

「地縁」は生まれた場所や育った環境など生まれつきのものだけではなく、現住所のように自分の意志で自由に決められる後天的なつながりも含まれます。

生まれた時点で決まっている先天的なつながりが「血縁」、自分の意志で変えられる後天的なつながりが「地縁」という違いがあります。

まとめ

まとめ

「血縁」「地縁」はどちらも人のつながりを意味する言葉であり、選挙やビジネスなど人脈が影響する話題で頻出する表現です。

それぞれの言葉の意味を正しく理解しておきましょう。