「回顧録」と「回想録」の違いとは?分かりやすく解釈

「回顧録」と「回想録」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「回顧録」「回想録」の違いを分かりやすく説明していきます。

「回顧録」とは?

「回顧録」とは?

回顧録とは、かいころくという読み方をすべき言葉です。

漢字で書かれたこの言葉を目にすれば明らかな事ですが、過ぎてしまった事を思い出すや後ろを振り返るといった意味の回顧の漢字に、書き記すといった意味がある録の漢字を組み合わせる事でにより成立した言葉となっています。

だからこそ回顧録は、過去の思い出等を書いたものを表すのです。

「回顧録」の使い方

回顧録は、過去の出来事や思い出等をあれこれ振り返りながら書かれたものを示す際に使用される言葉となっています。

ただし回顧という言葉には、過去の事実を客観視しながら思い出すといった意味があるので、回顧録はそういった過去の出来事を客観的に書き記したものといった意味が強くなっているのです。

「回想録」とは?

「回想録」とは?

回想録とは、かいそうろくという読み方をする言葉となっています。

文字で記されたこの言葉を目にすれば直ぐに分かる事ですが、かつて経験した事に思いを巡らせたり過去を振り返って思い起こすといった意味を持つ回想の文字に、書き記したものといった意味を有する録の文字を加える事で完成した言葉です。

そのため回想録は、関係者が過去の出来事について回想しつつ綴った記録を意味します。

「回想録」の使い方

回想録は、過去の出来事に対しその当事者が思い出しながら綴った記録という意味で使われる言葉です。

つまり自分が経験した過去について思い出しながら、書き記したりしたものを回想録と呼ぶ事が出来ます。

あくまで自ら経験した事を思い出して記録したものなので、自分が経験していない出来事等に関しては、回想録という言葉を用いる事は出来ません。

「回顧録」と「回想録」の違い

「回顧録」と「回想録」の違い

回顧録と回想録の文字を見比べれば、2文字目に顧と想という文字の違いがある事を発見する事が出来ます。

ですが最初と3文字目の漢字が同じ回と録である上に、過去の出来事を思い出して記す、という同じ意味合いを持つ言葉同士なのでややこしい組み合わせであると言えるのです。

もっとも回顧録は、過去の出来事等を思い出しながら、客観的に書き記したものを示します。

一方の回想録は、自らが体験した出来事等を思い返しながら綴ったものを表現する言葉です。

「回顧録」の例文

「回顧録」の例文

・『過去の写真や手紙を使って、あの偉人の回顧録は作成されました』

「回想録」の例文

「回想録」の例文

・『これは、私の祖父が自らの人生について綴った回想録です』

まとめ

まとめ

2つの言葉は最初と3文字目に、回と録という同じ文字が使われており、どちらも過去の出来事を振り返る、といった意味合いを持つ言葉同士となっています。

ですが2文字目に、顧と想という明確な違いがあるので表す意味合いのニュアンスにも違いが生じているのです。

まず回顧録は、過去の出来事や思い出を客観的に振り返りながら書かれたものを表します。

対する回想録は、自らが経験した出来事等を綴ったものに対して用いられる言葉です。