愉快な気持ちを伝える表現は、いくつかあります。
この記事では、「楽しい」と「愉しい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「楽しい」とは?
「楽しい(たのしい)」とは、心が満たされていて明るいこと。
ウキウキして、とても幸せな感情をあらわします。
自然と笑顔がこぼれてくる、とてもポジティブな心の状態です。
楽しいには「楽」という漢字がはいっています。
木に鈴などの飾りをつるした、楽器から生まれた言葉です。
この楽器を奏でると、その場にいた人たち、そして神さまたちがハッピーな気持ちになることから「楽しい」という漢字が生まれました。
心が躍るような、誰もが元気になる瞬間が「楽しい」です。
楽しいはこんなシーンで用います。
「久しぶりに会ったクラスメートと、楽しい時間を過ごした」「遊園地で遊んで、楽しかった」「楽しい旅の思い出ができた」このように楽しいとは、明るい気持ちのことです。
「愉しい」とは?
「愉しい(たのしい)」とは心にわだかまりが無くて、喜ばしいこと。
忌まわしいことが思い当たらなくて、心がとても軽い状態をあらわします。
「愉しい」という漢字には「愉快」の「愉」がはいっています。
「愉」には、気持ちが和らいでいく、険しい表情が消えていくという意味があります。
つまり「愉しい」とは、心の中にあるトゲを抜いて、穏やかになった状態のこと。
たとえ苦しいと感じる出来事があっても、自分の心の見方を改めて「たのしいと思えるように、努力していく様子」です。
「愉しい」は仏教にゆかりのある言葉。
心のあるべき姿について教えてくれる、とても清らかなワードです。
愉しいはこのように用います。
「定年退職をしてから、愉しいひとときを過ごせるようになった」「辛い時間を乗り越えたからこそ、今が愉しいと感じられる」このように「愉しい」とは、気持ちのスイッチを切り替えていくこと。
前向きに進んでいくことです。
「楽しい」と「愉しい」の違い
どちらも「たのしい」と読めるので、使用するシーンに迷ってしまいます。
「楽しい」と「愉しい」の違いを、分かりやすく解説します。
・よく使うのは「楽しい」
「楽しい」と「愉しい」の違いは、常用漢字かそうではないかの違いです。
「楽しい」は常用漢字のひとつです。
そのため日常生活やテストでは「楽しい」を使います。
「愉しい」は公ではない場所で、つかう表現です。
また「愉しい」はファッション雑誌やグルメ雑誌などでよく使われる表現です。
「遊び心が愉しいドライブグッズ」や「一流料理店ですごす、愉しい時間」がその一例になります。
まとめ
「楽しい」と「愉しい」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「たのしい」と読む、幸せな感情をあらわす言葉です。
「楽しい」とは心がウキウキすること。
常用漢字のため、日常生活ではこちらの「楽しい」を用います。
また「愉しい」は仏教にも縁のある言葉で、心の在り方を整えていくことです。
雑誌や小説などで、しゃれっ気を出したいときにも引用します。