この記事では、「謹慎」と「自粛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「謹慎」とは?
「謹慎」には、言動を控え目にすること、一定期間、出勤や登校などを差し止めること、といった意味があります。
単にこれらの行為を行うだけではなく、「謹慎」の場合、自分が行った良くない行為、行い、態度、などを改め反省する期間ともなります。
江戸時代では、「謹慎」は刑罰の一種でした。
一定期間、部屋などに閉じ込め外出を禁止されるもので、現代でも同じような意味合いで「謹慎」は用いられています。
そのため、「謹慎」は、「外出禁止」とも言え、そのほか、自分の行動や言動を慎むという意味で「謙虚」などといった類語があります。
「謹慎」の使い方
「謹慎」の場合、「謹慎する」や「謹慎を命じる」といった使い方のほか、「謹慎中」や「自宅謹慎」、「謹慎処分」などといった言葉があります。
「自粛」とは?
「自粛」には、自ら進んで行いや態度を慎むといった意味があります。
世の中の状況や周りからの目などを気にし、自分から行動を控える、態度を改める行為が「自粛」となります。
「自粛」には「自分」という漢字が用いられています。
そのことからもわかるように、あくまでも、自分から進んで行うことを意味する言葉となります。
そのため、「自粛」には、「自制」や「我慢」、「自己規制」、「自主規制」などといった類語があります。
「自粛」の使い方
「自粛」の場合、「自粛する」や「自粛をお願いする」といった使い方のほか、「自粛要請」や「自粛ムード」、「開催自粛」などといった言葉があります。
「謹慎」と「自粛」の違い
同じ行動を慎む行為でも、なぜ、そうなったのかといった過程に大きな違いがあります。
「謹慎」の場合、一般的に何か悪いこと、良くないことを行ったことに対し、第三者から要請されることを意味し、「自粛」は、何も悪いことなどしていない状態で、しかも、誰からか強制されて行うのではなく、自分で考え行う行動を意味します。
この点に大きな違いがある「謹慎」と「自粛」。
そのため、「謹慎中」と「自粛中」とでは、大きく意味が異なってきます。
「謹慎中」は、自分が行った行動などを反省する期間。
「自粛中」は、行動しないだけの期間となります。
「謹慎」の例文
・『校則違反を行ったことが学校にバレ、謹慎処分となりました。』
・『恋愛御法度のアイドルグループが恋愛スクープされ、彼女は謹慎することになりました。』
・『自宅謹慎中は、何かとストレスが溜まってしまいます。』
・『退学処分ではなく、謹慎処分で済んで本当に良かったです。』
「自粛」の例文
・『世の中の流れに合わせ、今回は大々的な宣伝は自粛することにしました。』
・『自粛ムードが高まる中、お店を開けることなどできません。』
・『今回のイベント開催は自粛させて頂きます。』
・『自粛要請をするのなら、保障もしっかりとして頂きたい。』
まとめ
以上が、「謹慎」と「自粛」の違いです。
決して、混合し用いてはいけない言葉となります。