「後生」と「後世」の違いとは?分かりやすく解釈

「後生」と「後世」の違い言葉・カタカナ語・言語

人間は世代を超えて色々な知識や財産を受け継いでいく存在です。

ある人や時代の後に生まれてくるものを表す言葉には「後生」「後世」があり、非常によく似ているために混同されがちです。

この記事では、「後生」「後世」の違いを分かりやすく説明していきます。

「後生」とは?

「後生」とは?

「後生」とは一般的に「こうせい」と読み、これはある人の後に続く人や知識や学問について学ぶ人を表す言葉です。

基本的には学問の分野で使われてきた言葉であり、師弟関係や先生と生徒という関係性に対して使われてきました。

「後生」は単純に後から生まれてくる人だけを表す言葉ではなく、学問で先に生きている先輩から学んで知識を受け継ぐ交配のことを表す言葉でもあります。

学問的な分野で秀でている人が自分よりも年齢が低い場合でもそれは先輩に当たるので、この場合でも「後生」として学ぶことが可能です。

「後生」は仏教用語としても使われる言葉であり、これは「ごしょう」という読み方になります。

この場合の意味は仏教で言う生まれ変わりをすることや死後の世界となり、一般的にはあまり使われません。

熟語としてこの言葉を使ったものには「後生の頼み」というものがあり、これは死ぬほど大切なお願いをする時に使われます。

「後世」とは?

「後世」とは?

「後世」「こうせい」と読み、これは自分などが生きている時代から次の時代へと移り変わることや、次の時代に生きる子孫のことを表す言葉です。

時代が次のフェーズに移り変わる時にはその時代の人物は死んでいることも多く、かなりの時代的な変化が発生するのが特徴です。

「後世」は時代という区分が重要視されるのが特徴であり、この点から類義語としては「前世」「現世」によって時代を区別することが可能です。

この2つの言葉も時代の変化やその人間の移り変わりを表すという共通点がありますが、「前世」に関しては宗教的な意味を持つのが異なる点です。

「前世」はきちんとした歴史的な時代や人々の営みを示すことも可能ですが、スピリチュアルな意味として何代も遠くの時代や人間以外の生まれ変わりを示す意味としても使われています。

「後生」と「後世」の違い

「後生」と「後世」の違い

「後生」は後から学ぶ人や生まれる人物を表す言葉であり、「後世」は後に来る時代を表す言葉となります。

もちろんこれらは重要視される点であり、それに付随した変化というものを含む意味もあります。

「後生」の例文

「後生」の例文

・『後生は恐るべしという言葉があるので、自分も後輩に負けないよう努力していきたい』
・『後生だからその陶磁器の壺だけは売らないでください』

「後世」の例文

「後世」の例文

・『勇者の魔王退治は後世まで語り継がれる伝説となった』
・『人類初の月面着陸は後世に残る偉大な成果である』

まとめ

まとめ

社会的な存在である人間は色々なものを次の時代や人物に受け渡すことで文化や文明を築いてきました。

「後生」「後世」はどの点を重要視するかが異なりますが、人類の発展には欠かせないものなのです。