この記事では、「事情聴取」と「取り調べ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「事情聴取」とは?
「事情聴取」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「事情聴取」は「じじょうちょうしゅ」と読みます。
「事情聴取」は「ある事実について人に事情を聴くこと」という意味があります。
ただしほとんどの場合、犯罪捜査に関して使われる言葉になります。
そのため「事情聴取」は、事件に関することに対して関係すると思われる人に対して、供述を求める行為を意味します。
例えば、刑事事件の被疑者になった時、殺人事件の犯人や、窃盗犯などの疑いがあるとされたとき、警察による「事情聴取」が行われます。
被疑者が事件に関する認識を警察に話して、主張をしたり、弁明することになります。
「事情聴取」の時に話した内容は、「供述調書」という書類に書き起こされ保存されます。
この供述調書は犯人を逮捕するための重要な証拠とみなされます。
被疑者以外の関係者に、話を聞くこともあり、この場合も「事情聴取」と呼びます。
事件の目撃者を警察に呼んで話を聞くこともあります。
「取り調べ」とは?
「取り調べ」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「取り調べ」は「とりしらべ」と読みます。
「取り調べ」は「取り調べること」という意味があり、特に警察や検察などの捜査機関が、被疑者や参考人の出頭を求めて、犯罪に関する話を聞くことを指す言葉です。
取調室と呼ばれる部屋で「取り調べ」が行われます。
警察官二人と被疑者や参考人が部屋に入りますが、弁護士は取調室に入ることはできません。
被疑者や参考人が話した内容は「供述調書」に記載されて保存されます。
裁判の際の重要な書類となるため、「取り調べ」で話す内容は裁判の結果に大きく影響することになります。
「取り調べ」は強制的に行われるわけではありませんが、被疑者として逮捕され、勾留されている場合は、取調室から出ることはできません。
ただし供述するかどうかは、被疑者にゆだねられています。
「事情聴取」と「取り調べ」の違い
「事情聴取」と「取り調べ」の違いを、分かりやすく解説します。
「事情聴取」と「取り調べ」は「ある事実について人に事情を聴くこと」という意味があり、基本的に同じことを意味します。
ある事件があり、捜査機関が被疑者や参考人に対して、事件に関するものを質問する仕組みになっています。
ただし、「事情聴取」の場合は被疑者ではなく、目撃者などの参考人に行う場合も使う言葉なのに対して、「取り調べ」という言葉は、基本的に勾留されている被疑者に対して「事情聴取」を行うときに使う言葉となります。
逆に言えば、逮捕・勾留されている被疑者に事件のことを聞く場合は、「事情聴取」とは言わず「取り調べ」と言うことになります。
まとめ
「事情聴取」と「取り調べ」の違いについて見てきました。
「事情聴取」は参考人に対しても行い、「取り調べ」は勾留されている被疑者に対してしか使わないと知っておくといいでしょう。