最も古い文学だとされる詩には「定型詩」と「自由詩」という大きくふたつの形式に分けられます。
このふたつの詩はどのような基準で区別されているのでしょうか。
今回は、「定型詩」と「自由詩」の違いについて解説します。
「定型詩」とは?
「定型詩」とは、「音数を一定の形式に従い作られた詩」を指します。
音数とは言語の音や音節名度口に出した時の音の数を指す言葉です。
日本語の場合は一文字につき一音ですが英語などは一単語で一音節ということもあり言語によってそれぞれ違いがあります。
「一定の形式やルールに従って音数を整えて作られた詩」のことを「定型詩」といいます。
「定型詩」は異なるしであっても音数が揃っているので同じリズムで読むことができます。
よく知られている「定型詩」が「俳句」です。
テーマや題材は異なっていても全ての俳句は「五・七・五」という音数で作られています。
俳句は日本語だけでなく英語やフランス語などでも作られていますが、外国語の俳句も音数は「五・七・五」という形式に従って作られています。
その他の「定型詩」としては「川柳」「短歌」「五言律詩」「七言絶句」などがあります。
「定型詩」の使い方
・国語の授業で定型詩を作った。
・世界で最も古い定型詩は中国の古代詩だとされている。
・形式から大きく外れてしまったら定型詩とは呼べない。
・定型詩であることの魅力に注目する。
「自由詩」とは?
「自由詩」とは、「音数や形式などの制約がなく自由に作られた詩」を指します。
「言葉の数や長さなど型に当てはめられずに作られた詩」が「自由詩」です。
言葉選びや誌の長さ、音数やリズムなどすべての要素において自由な発想が認められており、幅広い詩が「自由詩」に含まれます。
一定の形式に従ってつくられていないので異なる詩であれば長さもリズムも全くの別物になるのが特徴です。
一般的には口語で書かれた詩画中心ですが古語で書かれたものであっても形式に当てはめられず自由な音数で書かれていれば「自由詩」です。
「自由詩」の使い方
・現代作家が作る詩のほとんどは自由詩である。
・自由詩は自由に囚われてしまうとありきたりなパターンに陥りがちだ。
・口語で書かれているからといって自由詩だとは限らない。
・授業で自由詩について学ぶ。
「定型詩」と「自由詩」の違い
「定型詩」と「自由詩」の違いは「音数の形式に従って作られているかどうか」です。
「定型詩」は一定の形式に従った音数で作られる詩です。
テーマや言葉選びは自由ですが音数については厳しい制約が設けられており、形式から外れると「定型詩」ではなくなります。
「自由詩」は自由な音数で作られた詩です。
内容も長さも音数も一切の制約がなく自由な発想、自由なスタイルで作られた詩が「自由詩」で現代詩など新しく発表される詩の多くが含まれます。
音数の形式に従って作られるのが「定型詩」、形式に当てはめず自由な音数で作られた「定型詩」以外の全ての詩が「自由詩」です。
まとめ
すべての詩は「定型詩」と「自由詩」に分けられます。
音数の違いのみであり上下や良し悪しの違いはありません。
それぞれに魅力も難しさもあるので詩を書いてみたい人はどちらにも挑戦してみてください。