この記事では、「亡失」と「滅失」の違いを分かりやすく説明していきます。
「亡失」とは?
亡失は、ぼうしつという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を目にすれば分かる事ですが、存在していたものがなくなるとか姿をくらますといった意味の亡の漢字に、うしなうや手から放すという意味がある失の漢字を組み合わせる事で成立した言葉となっています。
だからこそ亡失は、失いなくす事や失せてなくなる事を表すのです。
「亡失」の使い方
亡失は、物がなくなってしまった時に使うべき言葉となっています。
物をなくしてしまったり、或いは物の存在自体がなくなってしまった際に、この言葉を使ってその状況を示す事が可能です。
ただし日常会話ではこの亡失という言葉が登場する事はほとんどないため、現代人は余り馴染みがない言葉となっています。
なので物をなくすという事を丁寧に表したい時に、文字として使われる事がある程度の言葉です。
或いは、役所に出す登録印鑑の亡失届等が存在しています。
「滅失」とは?
滅失とは、めっしつという読み方をする言葉です。
文字で書かれたこの言葉を見れば理解出来ますが、尽きるやほろびる、なくなるといった意味を持っている滅の文字に、なくすやうせる、うっかり誤る等の意味を有する失の文字を加える事で誕生した言葉となっています。
そのため滅失は、人の手や災害によらず物がその物としての物理的な存在を失う事や、滅んでなくなる事を意味するのです。
「滅失」の使い方
滅失は、災害等の理由を問わず物がなくなってしまう事を意味する言葉として、使用されています。
ただし滅失は多くの人にとって馴染みがない様に、物が存在を失うという意味を丁寧に表現した言葉です。
基本的に法律用語としてや不動産関係で見掛ける程度であり、大抵の人にとってほとんど見聞きしない言葉となっています。
「亡失」と「滅失」の違い
亡失と滅失は文字を見比べれば分かる様に、最初に付く文字が亡と滅という明らかな漢字の違いを見付け出す事が可能です。
ですが2文字目は同じ失であり、しかも多くの人にとって見慣れない言葉同士なので、違いを把握し難い部分はあります。
もっとも亡失は、失いなくすといった意味を表す言葉です。
一方の滅失は、主に法律用語や不動産関係の言葉として用いられており、物が消滅してなくなる、といった意味を示します。
「亡失」の例文
・『大事に保管していたはずの現金を、亡失してしまいました』
・『印鑑をなくしたので、役所に登録印鑑亡失届を出しに行きました』
「滅失」の例文
・『大規模な地震の影響で、近所にあった古い神社は滅失しました』
まとめ
2つの言葉は共に2文字目に、失という同じ文字が使用されています。
ですが最初の文字が亡と滅という明確な文字の違いがあるため、表す意味合いにも違いを見出す事が可能です。
まず亡失は、失ってなくす、という意味を丁寧に表現する言葉となっています。
対する滅失は、主に不動産関係や法律用語として用いられており、災害や人の手に関係なく、物が消えてなくなる、という意味を表現する言葉です。