「熟読」と「味読」の違いとは?分かりやすく解釈

「熟読」と「味読」の違い言葉・カタカナ語・言語

読書というのはとても奥深く、ただ本を読むといっても様々な方法があります。

例えば最近では数多くの本を読むために『速読術』というものが大きく話題になったり、一度に複数の本を読む『併読』という方法など驚くほど多くの方法があります。

本を読むということは基本的に情報を取り入れるという行為ですが、それ以外にも小説など物語で複雑な情景や登場人物の心情描写、文章そのもののを楽しむなど様々です。

そんな中で『熟読』と『味読』という言葉を聞いたことはありませんでしょうか。

前者はよく聞く言葉ですが、『味読』は聞きなれないかもしれません。

この記事では「熟読」「味読」の違いを分かりやすく説明していきます。

「熟読」とは

「熟読」とは

まず、この単語の意味は『文章の意味をよく考えながらじっくりと時間をかけて読むこと』という意味を指す言葉です。

よく『速読』とは逆の言葉として挙がる読書方法ではないでしょうか。

熟読はその意味が示す通り、しっかりと文章の意味をとらえる方法の為、とても時間がかかります。

ただしその分理解度は各段に上がりますので、何か実用書や物語などを読む時どちらにも使えるものです。

例えば授業の復習や予習の為などで『教科書を熟読する』というように言うのが一般的なこの表現の使い方として挙げられます。

よく『精読』との混同がされることが多い言葉ですが、『熟読』とは書籍の内容を自分自身の既存の知識や考えなどに混ぜ合わせる作業に対して『精読』は時間をかけて細かく読むという部分に違いがあるので、読み方としてはニュアンスが微妙に異なるものになっています。

「味読」とは

「味読」とは

さて『味読』とはどいう意味でしょうか。

これは『書物の内容や文章をよく味わって読むこと』という表現です。

文学作品というのはストーリーそのものだけでなく情景描写や心情描写など文章そのものの組み立て方や流れがとても芸術的なものがあります。

そのような細かな作者のこだわりをじっくりと噛みしめて味わうように楽しむのが『味読』です。

したがって、どちらかというと文学作品を読む場合に『味読』という言葉が使われるケースが多いです。

例えば『ドストエフスキーの『罪と罰』を味読した』というと、ストーリーだけでなく、当時のロシアのサンクトペテルブルクの情景や主人公のラスコーリニコフなどの複雑で迷い戸惑う心情をじっくりと味わうという意味になります。

「熟読」と「味読」の違い

「熟読」と「味読」の違い

この二つの違いは『しっかりと自分の知識や考えと照らし合わせながら書物を読む』のか『じっくりと文章構成や流れ、情景や心情描写などの文学としての表現方法を味わって楽しむ読み方』ではっきりと分けることができます。

もう一つの考え方としては『熟読』は『実用書や文学作品両方』に使えるのに対して『味読』はどちらかというと『文学作品に対して』使われるというのもポイントとして挙げられます。

まとめ

まとめ

如何でしたでしょうか。

様々な読み方がある中で今回は『熟読』と『味読』という時間をかけてしっかりと内容を読み込んでいくものの違いを見ていきました。

読書とは単なるインプット作業だけでなく、映画や芸術作品を読むようなエンターテイメント性もあるとても楽しいものです。

読書をする方が年々少なくなっているというニュースが流れていますが、この機会に堅苦しくとらえず、『熟読』だけでなく『味読』をしながら数多くの美しい芸術作品に触れてみてはいかがでしょうか。

きっと新しい発見ができるはずです。