特に製造業の企業において、その将来性を計る指標として重要なものの一つが研究開発にどのくらいの費用をかけているかということです。
これは、製造や営業の費用のようにすぐに売り上げや利益に結びつくわけではないので、削減の対象となる場合も多いのですが、ここを疎かにしていると3年後、10年後にその時代にあった利益を産む製品を作り出す事ができず、企業はシュリンクするしかなくなります。
さて、ここで出てきた「研究開発」とはどういう意味でしょうか。
また、同じように使われる「設計開発」とはどこが違うのでしょうか。
この記事では、「設計開発」と「研究開発」の違いを分かりやすく説明していきます。
「設計開発」とは?
「設計開発」とは、文字通り「設計」して「開発」するという意味です。
ここでいう「設計」と「開発」とは、通常は新製品を作り出すことです。
新製品の「設計開発」に必要なのはそれを行うために必要な基礎的な技術です。
例えば、新しい鉛筆の開発に必要なのは、芯の材料に使われる新しい鉱物だったり、ボディの整形に使われる新しいプレス技術ということになります。
英語では「design & development」です。
「研究開発」とは?
「研究開発」とは、「開発のための研究」であり、通常は新製品を作り出すために必要な基礎的な技術を見つけ出して使用可能にすることを言います。
ます。
企業にとっては、将来的に競争力のある製品を作り出すためには不可欠なものです。
前述の新しい鉛筆の例では、「研究開発」によって作り出されるのは、新しい鉱物と加工法の発見であったり、新しいプレス技術の開発となります。
英語では「research & development」といいます。
「設計開発」と「研究開発」の違い
「設計開発」と「研究開発」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は新しい製品やサービスの開発を行うという意味では同じですが、大きな違いがあります。
それは商品開発のフェーズの違いです。
「設計開発」は、「新しい製品を作り出すための技術が揃った状態から開発を行なって製品を作り出す」までのフェーズを言いますが、「研究開発」はその前段階として、「製品開発のための技術や仕組みを研究して見つけ出す」フェーズです。
従って、「研究開発」がなければ「設計開発」はありません。
「設計開発」の例文
「設計開発」の例文は以下のようになります。
・『設計開発に必要なのは既に確立された技術です』
・『設計開発において主体となるのは設計と開発の技術を持っている人たちです』
「研究開発」の例文
「研究開発」の例文は以下のようになります。
・『企業の研究開発部門の組織は、場合によっては大学の研究チームとコラボしてリサーチを行います』
・『売上高研究開発費率は企業の将来への展望を図る指標として使用されています』
まとめ
この記事では、「設計開発」と「研究開発」の違いを、解説してきました。
「研究開発」にどのくらいのお金を投資できるかは、企業の将来を決めるということを説明してきましたが、実際に必要なのは投資そのものではなくて、どこにどのくらい投資するかという内容になります。
そのいう意味では、それを判断できるだけの最新の情報や世の中の流れが今後どの方向に進むかを的確に判断する能力が重要だと言えます。
例えば、ここ数年で自動車産業は転換期を迎えると言われていますが、「ガソリンエンジンからの脱却」は既にどの会社も考えていることなので、今必要なのはその先どうするかということなのです。