この記事では、「誤差」と「差異」の違いを分かりやすく説明していきます。
「誤差」とは?
「誤差」には2つの意味があります。
ひとつは、本当の値と測定値あるいは近似値との違いです。
日本では中央標準時というものが定められています。
東経135度の子午線を日本の一般的な標準時として、この標準時を中央標準時と呼んでいます。
電話で時報を聞くと、標準時を知ることができます。
この時間とアナログ式の時計の時間がずれていることがあります。
本当の値は中央標準時で、これが9時だったとします。
アナログ式の時計は8時58分を指しています。
この違いのことを「誤差」といいます。
今度は計量のことで考えてみます。
お菓子を作るために小麦粉を計量しました。
レシピには100gと書かれていますが、わずかな違いならいいだろうと思って102gを計量しました。
本当の値が100gで測定値が102gです。
この2gの違いを「誤差」といいます。
もう一つの意味は食い違いです。
意見や物事などがうまく一致しないことを指します。
たとえば、子供の教育の場合でいうと、父は公立の中学校に通わせたいけれど、母は私立の中学校に通わせたいという場合、父と母とで意見が一致していません。
このことを意味します。
「誤差」の使い方
一致しないという意味で使用をします。
本当の値と計測値が違う、考えや物事などが違うという意味です。
「差異」とは?
複数のものを比べたときの違うところという意味です。
ホテルの朝食のことで考えてみます。
各ホテル、さまざまに工夫をこらした朝食を提供しています。
Aホテルでは和食が自慢でした。
Bホテルは和・洋・中そろっているビュッフェが人気です。
Cホテルでは、トースト・サラダ・目玉焼きといったシンプルな朝食です。
どのホテルも同じものではありません。
これは「ホテルの朝食に差異がある」と表現することができます。
人の能力のことで考えてみます。
Aさん、Bさん、Cさん、どの人も、英語のテストの点数が70点で平均くらいです。
3人の間で違いはほとんどありません。
これは「能力に大きな差異はない」といいます。
「差異」の使い方
いくつかのものの間にある違いという意味で使用をします。
「誤差」と「差異」の違い
「違い」という意味を持っている点が似ていますが、意味合いは異なります。
前者は、本当の値と計測値や近似値が違うことです。
後者は、あるものと別のあるものとの違いです。
どちらかが正しいものでそれとは違う、という意味ではありません。
「誤差」の例文
・『多少の誤差は気にしない』
・『誤差のないように計量してください』
・『誤差のないに時刻をあわせる』
・『誤差が少ない』
「差異」の例文
・『差異が生じる』
・『差異をはかる』
・『差異が顕著だ』
・『新しいモデルと古いモデルの差異』
まとめ
2つの言葉は違いという意味を持っていますが、ニュアンスが異なります。