「手」にまつわる熟語には、分かりにくい言葉もあります。
この記事では、「手間」と「手数」の違いを分かりやすく説明していきます。
ビジネスシーンに役立てていきましょう。
「手間」とは?
手間(てま)とは、仕事をおこなう時間のこと。
または労力のことです。
おもに自分の為に働いてくれた相手に、お礼を言いたいときに使います。
「手間」は「手をかけた時間」という意味があります。
仕事に費やされた苦労や努力が、にじみ出てくるような表現です。
そのためビジネスの場では「お手間を取らせてしまい、大変申し訳ありません」と使います。
こちらの為に骨を折ってくれた仕事仲間や上司に対して、ねぎらいの気持ちを伝える言い回しになります。
また「手間」にまつわる表現には「手間仕事」という言葉もあります。
手間仕事とは、込み入った面倒な仕事のこと。
こうした仕事を難なくこなすことを「手間仕事をいとわない」といいます。
苦労人に対してつかう表現です。
「手数」とは?
手数(てすう)とは、その仕事に費やされる仕事の分量のこと。
面倒な作業内容のことです。
こちらも骨の折れる作業をおこなってくれた相手に対して、感謝の気持ちと一緒に用いることが多いです。
手数は「作業の数」をあらわした言葉です。
複雑な仕事、しんどい作業というニュアンスが込められています。
「手数」は仕事場でも、よく使われる表現です。
例えば「お手数をおかけして、大変申し訳ありません」という表現があります。
自分のために時間を割いてくれた仕事先に対して、お詫びの気持ちを伝える言い回しです。
また厄介で時間のかかる作業をお願いするときも「お手数ですが~」とひと言添えてつかいます。
「すいませんが」をより丁寧に、より気遣いのある言葉にしたものが「お手数ですが~」です。
ちなみに「手数」は「てかず」とも読みます。
囲碁で使われる表現で、攻めるときに用いる着手の数をあらわします。
「手間」と「手数」の違い
それぞれ「手」が入っているので、意味を正しく捉えるのが難しいです。
「手間」と「手数」の違いを、分かりやすく解説します。
・手間は時間、手数は仕事の数
「手間」と「手数」は、どちらも身を削って尽くしてくれた相手に使います。
手間は「仕事に費やした時間」のこと。
そして手数は「作業の数」をあらわします。
例えば、時間をかけておこなうことを「手間をかける」といいます。
また短時間でおこなうことを「手間を省く」といいます。
よく似ていても、微妙なニュアンスの違いがあるので注意しておきましょう。
まとめ
「手間」と「手数」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「お手間をおかけして~」や「お手数をおかけして~」のように、仕事の現場でよく用いる表現です。
手間には、仕事に費やした時間という意味があります。
また手数には、仕事にかかる作業数という意味合いがあります。
ニュアンスの差を知って、日本語を正しく用いていきましょう。