この記事では、「御影石」と「大理石」の違いを分かりやすく説明していきます。
「御影石」とは?
「御影石」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「御影石」は「みかげいし」と読みます。
「御影石」は「花崗岩(かこうがん)のことで、火成岩(かせいがん)の一種」となります。
「火成岩」はマグマが地表に出ることにより、冷えて固まったものを指し、「花崗岩」は、火成岩の中でも、ゆっくりと冷え固まってできた「深成岩」の一種となります。
花崗岩のことを、石材として見る時に、「御影石」と呼ばれます。
花崗岩は緻密で硬いという特徴があるため、日本では昔から石材として使用されてきました。
たとえば石橋の素材として使用されたり、石で作られた鳥居の材料にもなっています。
また、花崗岩の表面を研磨してピカピカにしたものは、ビルや商業施設の壁などに利用されています。
ちなみにカーリングのストーンも、花崗岩によって作られています。
「御影石」という名称は、神戸市の御影という地名に由来します。
六甲山で採石された石材は「御影」と呼ばれて、御影の港から全国に輸送されていたことにちなみます。
この時に、採石されていたが「花崗岩」だったことから、「御影石」と呼ばれるようになっています。
「大理石」とは?
「大理石」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「大理石」は「だいりせき」と読みます。
「大理石」は英語では「マーブル」と呼ばれています。
石灰岩が変化してできた岩石のことを指します。
岩石学では、「結晶質石灰岩」と呼んでいて、変成岩のひとつとなっています。
このように、石灰岩が変化した変成岩、結晶質石灰岩を、石材として呼ぶときは「大理石」と呼びます。
石材として「大理石」と呼ぶ場合は、結晶質石灰岩に加えて、模様が美しい石灰岩やトラバーチン、鍾乳石などが含まれます。
「大理石」の中でも有名なのが、イタリアのカッラーラで産出される「カラーラ・ビアンコ」、ギリシアの「ペンテリコン」などです。
古代ギリシアの「パルテノン神殿」など、ギリシアの神殿や、古代ローマのコロッセオなどは「大理石」によって作られています。
建築物の外装や内装にも用いられていて、高級感を醸すうえで欠かせない存在になっています。
「御影石」と「大理石」の違い
「御影石」と「大理石」の違いを、分かりやすく解説します。
「御影石」はマグマからできた花崗岩で、「大理石」は、石灰岩が変質した結晶質石灰岩のことを指します。
どちらも石材としての呼び名で、純粋な花崗岩や結晶質石灰岩以外の似たものが含まれていることもあります。
このように「御影石」と「大理石」は、高級石材としての共通点がありますが、石の成り立ちなどには大きな違いがあります。
まとめ
「御影石」と「大理石」の違いについて見てきました。
2つの石材には、大きな違いがあることが分かりました。
違いを知ることで、使い分けることができるようになりそうです。