この記事では、「龍笛」と「篠笛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「龍笛」とは?
龍笛とは、りゅうてきという読み方をすべき言葉です。
文字で記されたこの言葉を見れば明らかな事ですが、想像上の生き物であるりゅうやたつ、優れた人物といった意味がある龍の文字に、管楽器の1種でラッパ類を除いたものや合図として吹き鳴らすものといった意味の笛の文字を付け足す事で生まれた言葉となっています。
そのため龍笛は、笛の1種で雅楽に用いる横笛を表すのです。
「龍笛」の使い方
龍笛は、雅楽で使用される横笛の呼び名として使用される言葉となっています。
雅楽だけでなく、朗詠や催馬楽等の種目でも使われている笛であり、竹で作られて長さ40センチ程の物をそう呼ぶのです。
更に特徴としては、指穴以外の大半の場所を樺巻きと呼ばれる、桜の樹皮の繊維が巻かれており、そういった笛に対して、龍笛という名が使われています。
「篠笛」とは?
篠笛とは、しのぶえという読み方をする言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を目にすれば理解出来る事ですが、根笹の仲間の総称であるしの竹の意味がある篠の漢字に、竹や木等の管状のものに穴を空けて息を吹き込んで音を鳴らす楽器という意味を有する笛の漢字を組み合わせる事で、成立した言葉となっています。
だからこそ篠笛は、細い篠竹をそのまま使って作られた横笛を表す言葉です。
「篠笛」の使い方
篠笛は、細い篠竹に6つか7つ程の穴を空けてシンプルに製作された横笛に対して使われる言葉となっています。
身近にある竹を素材に余り手を加えずに生み出される素朴な楽器であるため、篠笛は古来より郷土芸能で積極的に用いられていたのです。
漆塗り等を施した物もありますが、重りは入れられないので軽量であるというのも篠笛の特徴と言えます。
「龍笛」と「篠笛」の違い
龍笛と篠笛の文字表記を見比べれば、最初の文字が龍と篠という明らかな漢字の違いを直ぐに発見可能です。
しかも同じ笛の文字が使われていますが、てきとぶえという読み方の違いもあります。
ただし同じく竹を用いて作製される笛を表す言葉ですが特徴も違っており、龍笛は主に雅楽で使用される笛で桜の繊維で巻かれたり、頭部に重りが入れられる等の加工が施されているのです。
一方の篠笛は、細い篠竹を材料にシンプルに製作された横笛で、漆塗り等は行われる事がありますが、重りを入れられたりはしないので軽いという特徴があります。
「龍笛」の例文
・『雅楽と同じくそれに用いられる龍笛にも長い歴史があります』
「篠笛」の例文
・『私は篠笛の奏でる素朴な音色に聴き惚れました』
まとめ
2つの言葉は、最初に龍が付くか篠が付くかという違いを見出す事が可能です。
加えて同じ笛でも、てきとぶえという違う読み方をする点も覚えておきたい所だったりします。
もっとも竹を元に作られる横笛という共通点もありますが、それぞれ違う特徴も持っているのです。
まず龍笛は主に雅楽や朗詠等に用いられ、桜の繊維で巻かれたり重りが入れられるといった特徴を持つ横笛を表す言葉となっています。
対する篠笛は、細い篠竹に穴を空けて、比較的シンプルに製作される横笛で、重りを入れたりしないので重量が軽いという特徴があるのです。
主に郷土芸能で古くから、使用されていました。