「お菓子」と「おやつ」はどちらも子どもの大好物ですが、このふたつの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「お菓子」と「おやつ」の違いについて解説します。
「お菓子」とは?
「お菓子」とは、「楽しみのために食べる嗜好品としての食物」を指す言葉「菓子」に敬意表現の接頭語「御」がついた言葉です。
人間は生きるために必要なエネルギーを摂取するために食事をします。
穀物や野菜、肉類や魚類などをバランスよく取ることで必要な栄養素を摂取しますが、そのためには定期的に食事を摂取する必要があります。
「お菓子」とは生命を維持するために摂取する食事とは別に「味わって楽しむために作られた嗜好品としての食品」を指す言葉です。
小麦や豆など材料はさまざまで砂糖や塩、乳製品や果物などをふんだんに使い味や食感を追求て作ります。
もともとの「お菓子」とは果物を指す言葉でした。
砂糖や甘味料がなかった時代、果物は唯一といってもいい甘みを感じられる食べ物でした。
美味しいことや素晴らしい味わいを「甘露」と表現することからもわかるように、甘味は味の中でも特に貴重なものであるとされていました。
貴重な甘みを味わえる果物は主食ではなく楽しみのための嗜好品として扱われます。
「お菓子」の「菓」は果物を意味する「果」と同じ意味合いであり、「果物のように美味し味わいが楽しめるもの」という意味で「菓子」という言葉が生まれたとされています。
一般的には甘い食物がイメージされますが、せんべいなど醤油味や塩味の食物でも楽しみのためのものであれば「お菓子」に含まれます。
「お菓子」の使い方
・『仕事をしながらお菓子を食べる』
・『お菓子を食べ過ぎてお腹いっぱいになった』
・『趣味はお菓子作りです』
・『子どもにとってお菓子屋さんは夢の場所だ』
「おやつ」とは?
「おやつ」とは、「食事の合間に食べる軽い食事」という意味の言葉です。
本来の「おやつ」は漢字で「お八つ」と書きます。
昔の時刻の数え方で「八つ時(現在の午後2時~4時)」のころに軽い食物を食べたことから、その頃合いに物を食べる習慣のことを「お八つ」と呼ぶようになりました。
現在でも「おやつ」といえば昔の八つ時に当たる午後3時頃に食べる軽食のことを指しますが、そこから転じて「食事と食事の合間に食べる間食」の全般を「おやつ」と呼んでいます。
「おやつ」の使い方
・『小腹がすいたのでおやつを食べる』
・『買っておいたどら焼きをおやつにする』
・『何かおやつはないかと冷蔵庫を探す』
・『植木職人さんにお茶とおやつを出して休憩してもらう』
「お菓子」と「おやつ」の違い
「お菓子」と「おやつ」の違いは「食べる目的」と「時間帯」です。
「お菓子」は楽しみのために作られた食物を指します。
食べる時間帯に制限はありません。
「おやつ」は食事と食事の間に取る間食で休息や小腹満たしを目的に食べるものを指します。
食物の種類に制限はなく甘味などの「お菓子」が一般的ですがそれ以外にもおにぎりやサンドイッチなど主食としても食べられる食物であっても定時の食事とは別に食べたら「おやつ」になります。
まとめ
「お菓子」と「おやつ」を混同する使用例も見られますが、本来の意味を考えるとふたつは全く別の意味を指す言葉であり同じ意味で使うのは間違いです。
それぞれの意味を性格に知って正しく使い分けてください。