「ナフサ」と「ガソリン」の違いとは?分かりやすく解釈

「ナフサ」と「ガソリン」の違い専門用語・業界用語

現在では、多くの自動車がガソリンを燃料として動いているので、原油の値段はガソリンの値段に直結し、さらには陸上輸送のコストにも影響してきます。

このガソリンですが、石油から作られていることは有名です。

しかし、実際にはどのよう作られているのでしょうか。

また、石油化学製品の原料としてナフサというものがありますが、違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「ナフサ」「ガソリン」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ナフサ」とは?

「ナフサ」とは?

「ナフサ」とは、英語では「naphtha」と書きますが、原油を精製してできた比較的軽い物質であり、さまざまな石油化学製品の原料になる物質です。

原油の精製とは、常圧蒸留装置に高温に熱した原油のガスを注入して、沸点の高さによって液化させて分留することによって行われます。

そこでは、最も沸点が低いものがLPガスで、ナフサ・ガソリン、灯油、軽油、重油に分けられます。

この後「ナフサ」はさらに重質(ヘビー)ナフサと軽質(ライト)ナフサに分けられて、それぞれさまざまな製品に加工されます。

「ガソリン」とは?

「ガソリン」とは?

「ガソリン」とは、米語では「gasoline」英語では「petrol」と言い、主に自動車のエンジンの燃料として使用されるものです。

基本的には原油を精製した結果として作られる」「ナフサ・ガソリン留分」をもとに作られます。

アンチノッキング性能(発火しにくい性質)を示すオクタン価が高いものをプレミアムとかハイオクと呼びます。

「ナフサ」と「ガソリン」の違い

「ナフサ」と「ガソリン」の違い

「ナフサ」「ガソリン」の違いを、分かりやすく解説します。

これらは原油の常圧蒸留装置による精製で作られる沸点が35度?120度程度の物質である「ナフサ・ガソリン留分」であるという点では同じです。

根本的な違いは用途です。

「ナフサ」が主にプラスチックなどの化学製品の材料となるのに対して、「ガソリン」は言うまでもなく自動車の燃料として使われます。

「ガソリン」に関しては品質やさまざまな規制等のためにそのままでは使用できないため、他の物質を加えたり、不要な物質を取り除いたりする工程を経て作られるので、最終的にはかなり違った物質になってしまいますが、元々は同じものであると言っても良いでしょう。

「ナフサ」の例文

「ナフサ」の例文

「ナフサ」の例文は以下のようになります。

・『ナフサは米国においては重質ナフサのことを指す言葉として使用されています』
・『ナフサは分解ガス分留装置によってエチレン、プロピレンなどの化学製品の原料になります』

「ガソリン」の例文

「ガソリン」の例文

「ガソリン」の例文は以下のようになります。

・『ガソリンのオクタン価が高いものをプレミアムとかハイオクと呼びます』
・『自動車の内燃機関の燃料としてガソリンが使われるようになったのは19世紀後半です』

まとめ

まとめ

この記事では、「ナフサ」「ガソリン」の違いを、解説してきました。

有害ガス、地球温暖化や石油の枯渇を憂慮して、ヨーロッパを中心に、自動車業界は既にガソリンエンジンの廃止の方向に進んでいます。

また、プラスチックなどのナフサから作られる石油化学製品に関しても、容易に分解する紙製品などへの移行も行われています。

このような流れが進んでゆけば、石油を必要としない日が訪れるのも遠い未来ではないでしょう。