この記事では、「意思」と「意向」の違いを分かりやすく説明していきます。
「意思」とは?
「意思」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「意思」は「いし」と読みます。
「意思」は、「何かをしようとするときの、もとになる心持ち」という意味があります。
例えば、子供が遊びに行こうとするとき、その心持ちを、「子供が遊びに行こうとする意志」と言います。
その心持を大切にしようと親が思った場合は、「意思を尊重し、一緒に遊びに行く」などと言います。
また、仕事をしようとする気持ちが薄いと感じる人に対しては、「仕事をしようとする意思が感じられない」などと言うかもしれません。
さらに、「意思」を使った「意思疎通(いしそつう)という言葉には、「心持ちが、滞りなく通じること」という意味があります。
例えば、年の離れた同僚と、心持ちが滞りなく通じていると感じる時、「年齢の差はあるが、意思疎通ができている」などという文章にすることができます。
「意向」とは?
「意向」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「意向」は「いこう」と読みます。
「意向」は「どうするつもりかという考え。
また、心の向かうところ」という意味があります。
誰がどうしたいのか、その考えを知りたいときなどに、「意向」という言葉を使います。
例えば、取引先が現在の取引に対して、どのようにしたいのか、その考えを探る時、「取引先の意向を探る」などと言います。
また、奥さんが、一戸建ての家が欲しいと考えている場合、「妻の意向で、一戸建ての家を買う予定です」などと言うかもしれません。
さらに、会社の社長が、今年いっぱいで、その座を退く考えを見せている時、「社長が辞任の意向を示している」などと表現することができます。
他にも、「彼女の意向通り、クリスマスは高級ホテルに宿泊する」とか、「相手の意向次第で、臨機応変に動く」などという文章にすることができます。
「意思」と「意向」の違い
「意思」と「意向」の違いを、分かりやすく解説します。
「意思」は、「何かをしようとするときの、もとになる心持ち」という意味があります。
一方の「意向」は「どうするつもりかという考え。
また、心の向かうところ」という意味があります。
どちらも、心についての言葉になります。
ただし、「意思」は、何かをしようとする積極的な心の動きに対して使う言葉なのに対して、「意向」は、心が向かうところや、何かに対する考えを意味する言葉になります。
「辞職の意思を示す」という場合は、辞職をしようと、強く思っている様子を示すのに対して、「辞職の意向を示す」という場合は、いくつかの選択肢の中から、辞職という対処法を選ぶというような意味合いになります。
まとめ
「意思」と「意向」の違いについて見てきました。
「意思」は積極的な心の動きを意味し、「意向」は、心の向かうところを意味するという違いがありました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、きちんと使い分けることができるようになりそうです。