この記事では、「貴方」と「貴殿」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貴方」とは?
貴方とは、あなたという読み方をすべき言葉です。
漢字で表記されたこの言葉を見れば即座に理解出来る事ですが、相手に対し敬意を示す語や価値が高いといった意味の貴の漢字に、向きやほうがくといった意味がある方の漢字を組み合わせる事で成立した言葉となっています。
だからこそ貴方は、対等か目下の人間に対して丁寧に親しみを込めて言ったり、妻が夫に対して敬意や親しみを込めて使う言葉です。
「貴方」の使い方
貴方は、同等か目下の相手に親しみやちょっとした敬意を込めて呼ぶ際に使われる言葉となっています。
どちらかと言うと、貴方という漢字よりも、あなたという平仮名で表記される事が多い言葉です。
しかも使用する際は、文字よりも口語として日常的に使用されるケースが多く見られます。
特に妻が夫を呼ぶ際に軽い敬意や親しみを込めて、貴方と呼ぶ事が少なくありません。
「貴殿」とは?
貴殿とは、きでんという読み方をする言葉となっています。
文字で書かれたこの言葉を見れば明らかな事ですが、身分とか家柄が高いとか敬意を示す言葉として用いられる貴の文字に、相手に対する敬称として使われる殿の文字を加える事で誕生した言葉です。
そのため貴殿は、男性が同等か或いは目上の男性に対して用いたり、あなたといった意味を表します。
「貴殿」の使い方
貴殿は、男性が同等だったり目上の男性に対して呼び掛ける際に使用される言葉です。
殿という文字が使われている事でも分かる様に、あくまで男性が男性相手に使用すべき言葉であり、女性相手にこの貴殿を使うのは間違いになるので注意する必要があります。
更に貴殿は口語というよりも、文章で主に用いられる言葉です。
「貴方」と「貴殿」の違い
貴方と貴殿の文字を見比べれば直ぐに、2文字目に方と殿という明らかな違いがある点に気付く事が出来ます。
ですが最初の文字は同じ貴であり、呼び掛け等を行う際に使用する言葉同士なので混同してしまう恐れは十分にあるのです。
もっとも貴方は、対等か目下の相手に対しちょっとした敬意や親しみを込めて呼び掛ける時に使用される言葉となっています。
一方の貴殿は、男性が同等か或いは目上の男性に対し使用される言葉です。
「貴方」の例文
・『貴方のご出身は何処ですか?』
・『最近の貴方の仕事振りは非常に素晴らしいです』
「貴殿」の例文
・『今回のイベントが成功したのは、貴殿のご尽力の賜物と感謝しております』
まとめ
2つの言葉は、共に最初に貴という漢字が使用されている上に、どちらも相手を呼び掛ける際に用いられる言葉だったりします。
もっとも2文字目は方と殿という違いがあるので、表す意味のニュアンスにも違いが生じているのです。
ちなみに貴方は、同等か或いは目下の者に対し親しみを込めつつ呼び掛けを行う際に使われる言葉となっています。
対する貴殿は、同等か目上の男性に対して男性が呼びかけを行う際に用いられる事が多い言葉です。