相手を思いやるといった意味で用いられることが多い「気を遣う」と「思いやり」。
この記事では、「気を遣う」と「思いやり」の違いを分かりやすく説明していきます。
「気を遣う」とは?
「気を遣う」とは、様々なところに注意を払う、配慮するといった意味があります。
周りの状況や人々に対し、気配りをして自ら進んで行動することが「気を遣う」行為となります。
相手のことを敬い献身的に尽くす。
それが「気を遣う」です。
このような意味から「気を遣う」には、「心を配る」や「配慮する」、「相手の身になって考える」、「気に掛ける」などといった類語があります。
「気を遣う」の使い方
「気を遣う」の場合、「友達に気を遣う」や「大人に気を遣う」、「気を遣うことができる人」などといった使い方となります。
「思いやり」とは?
「思いやり」とは、相手の立場や気持ちになり、心から相手のことを考える、思うことといった意味があります。
相手の気持ちに配慮し、その気持ちを十分に考え接する行為が「思いやり」です。
このような意味から「思いやり」には、「配慮」や「気遣い」、「親切」、「温情」、「同情」、「おもてなしの心」などといった類語があります。
「思いやり」の使い方
「思いやり」の場合、「思いやりがある」、「思いやりがない」といった使い方のほか、「思いやりを持つ」、「思いやりの心」、「思いやりのある人」などといった使い方があります。
「気を遣う」と「思いやり」の違い
「気を遣う」と「思いやり」の共通点は、相手や周りに対し配慮するという点です。
ただし、お互いに少し異なった意味を互いに持ち合わせています。
「気を遣う」の場合、配慮は配慮でも、気難しい人や怒りっぽい人に対し、怒られないようにするために行うといった意味もあり、場合によっては良い意味で用いられないことがあります。
また、「思いやり」には同情する気持ちが含まれるものの、「気遣い」には、そのような気持ちは含まれません。
「気を遣う」の例文
・『子供は大人が思っている以上に親に対し気を遣っています』
・『社会生活において、周りに気を遣うことができることは大切です』
・『彼女は、彼の気遣いに気付くことができなかった』
・『あまり、気を遣わないでください』
「思いやり」の例文
・『彼女は、困っている人を見過ごすことができない思いやりのある女性です』
・『彼は、本当に思いやりのかけらもない人物です』
・『夫婦仲良く暮らすためには、お互いを思いやる、思いやりの心を持つことは必要不可欠です』
・『困っている人を放置するなど、あれほど、思いやりのない人とは思いませんでした』
まとめ
以上のような違いがある「気を遣う」と「思いやり」。
同じ意味として用いることも可能ですが、ニュアンスが異なることも多いため、それぞれに適した使い分けが必要です。
その際のポイントは、同情の有無や配慮は配慮でも、自分のために行うかどうかといった点となります。