同じ意味として用いられることが多い「一応」と「念のため」ですが、この言葉には違いがあります。
この記事では、「一応」と「念のため」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一応」とは?
「一応」には、十分ではないものの一通りといった意味やほぼその通りと思うものの、念のために。
といった意味があります。
最低限の要望や目標といったものはクリアしているものの十分ではない状態を意味し、万全の状態ではないが、おそらく、これで大丈夫だろうという状態を「一応」と表現します。
そのため、「一応」は、「万が一に備えて」や「大事を取って」、「念押しとして」などと言い換えることができます。
「一応」の使い方
「一応」の使い方は、「一応確認しておきます」や「一応伝えておきます」などです。
「念のため」とは?
「念のため」には、よりいっそう確認する、注意する、といった意味があります。
万が一に備え十分な状態にするため、確認する行為や注意する行為が「念のため」です。
また、「念のため」は、目上の人に対して用いることができる言葉となります。
そのため、「念のため」は、「万一のために」や「万が一に備えて」、「大事を取って」などと言い換えることができます。
「念のため」の使い方
「念のため」の使い方は、「念のため休暇を取る」や「念のため確認する」、「念のため報告する」などです。
「一応」と「念のため」の違い
「一応」は、十分ではないものの最低限の要望や目標といったものはクリアしている状態のこと。
「念のため」は、万が一に備え十分な状態にするため、確認する行為や注意することを意味します。
そのため、「一応確認する」と「念のため確認する」とでは、同じ確認でも、その内容に少し違いが生じます。
また、「一応」は、目上の人には適した言葉ではなく、同じ意味として目上の人に用いる場合は、「念のため」が適した言葉となるといった違いもあります。
「一応」の例文
・『一応、パーティー会場の準備は整っています』
・『自分で起きることができると思いますが、一応、7時に声をかけてくれませんか』
・『いつ買い物したくなってもいいように、一応、エコバッグを持って出かけることにします』
・『一応、父には伝えておきますが、あまり、良い返事は期待しないでください』
「念のため」の例文
・『雲行きが怪しかったので、念のため、傘を持って出かけることにしました』
・『随分、身体の調子が良くなったものの念のため、もう1日休むことにしました』
・『絶対に遅刻してはいけない会議に出席するため、念のため、早めに家を出ることにしました』
・『念のため、忘れ物がないか確認してから出発することにしました』
まとめ
以上のような違いに注意し正しい使い分けを行う必要がある「一応」と「念のため」。
意味のちょっとした違いだけではなく、誰に用いる言葉なのかを踏まえ、適切に使い分ける必要があります。