同じ乱れると書くことから、通常ではない状態を想像する「錯乱」と「攪乱」。
この記事では、「錯乱」と「攪乱」の違いを分かりやすく説明していきます。
「錯乱」とは?
錯覚の「錯」に乱れると書いて「錯乱」。
読み方は「さくらん」です。
「錯」には、入り乱れるという意味があり、「乱」と同じ意味を持つ言葉を2つ用いた言葉となります。
意味は、入り乱れ秩序がなくなることで、ごちゃごちゃになるといったものとなります。
この状態は、実際に目に見えるものに用いられるのではなく、主に感情や思考が混乱する際に用いられる言葉となります。
類語には、「混乱」や「惑乱」、「狼狽」、「混濁」などがあります。
「錯乱」の使い方
「錯乱」は、「錯乱する」、「錯乱させる」、「錯乱した」、「錯乱状態」などといった表現方法で用いられます。
「攪乱」とは?
かいまわす、かきまぜる、みだす、といった意味の「攪」に乱れるといった意味の「乱」が組み合わさり成り立っている「攪乱」。
その「攪乱」は、「かくらん」と読み、意味は、かき乱すこととなります。
混乱が起きるようにする行為を意味し、自らかき乱し混乱させることを指す言葉となります。
類語には、「煙に巻く」や「幻惑する」、「カモフラージュする」などがあります。
「攪乱」の使い方
「攪乱」は、「攪乱する」、「攪乱させる」、「攪乱し続ける」などといった表現方法で用いられます。
「錯乱」と「攪乱」の違い
同じ「乱れる」という漢字を用いる言葉ですが、自分が乱れるのか、自分が乱すのか、といった違いがある言葉となります。
「錯乱」、何かが起こったことにより、自分自身の感情や思考が混乱することを意味し、「攪乱」は、自分自身が周りをかき乱す行為を意味します。
このように、自分に起きたことなのか、自分が起こしたことなのか。
そう言った違いが2つの言葉にはあります。
「錯乱」の例文
・『錯乱状態の男性が電車に乗り込んできたときは、もうダメかと思いました』
・『一度に色々なことを言われ、頭が錯乱しています』
・『大好きだった彼女にフラれたことで、精神が錯乱しているところです』
・『思い通りに仕事が進まず、恥ずかしながら錯乱状態に陥ってしまった』
「攪乱」の例文
・『彼は、会社へのあてつけに社内をパニック状態にするため情報網を攪乱した』
・『これ以上、クラスを攪乱させる行為は保護者といっても許すことはできません』
・『地球上の生態系は、人間が攪乱させたと言っても過言ではない』
・『人間の手による攪乱のない地域では、動物たちはのびのびと暮らしています』
まとめ
同じかき乱す状態でも、「錯乱」と「攪乱」とでは、大きな違いがあります。
自分がかき乱された状態なのが「錯乱」。
自分がかき乱した状態なのが「攪乱」といった違いがあり、この2つの言葉には、大きな違いがあります。
また、「錯乱」は主に感情や思考が混乱することを意味しますが、「攪乱」の場合は、全てのことに対し用いられます。