どちらも弓矢の的から派生した「図星」と「的中」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「図星」と「的中」の違いを分かりやすく説明していきます。
「図星」とは?
「図星」は弓の的で言えば、的の中心となる黒い点を指します。
そこから派生し、目当てのところや急所。
人から受けた指摘などがまさにその通りだという意味として用いられています。
的のど真ん中を意味することから、そこに当たれば大当たりを意味し、それに勝ることはありません。
ただし、この「図星」の場合、他人から嫌なところ、痛いところを言い当てられたときに用いられる言葉となり、あまり、良い意味で用いられることはありません。
「図星」は、言い換えれば、「耳が痛い」、「耳の痛い」、「グサッとくる」、「胸に突き刺さる」、「聞きたくない」などと同じなのです。
「図星」の使い方
「図星」は、「図星をつく」や「図星を指す」、「図星です」などといった表現方法で用いられます。
「的中」とは?
「的中」は弓で言えば、的に当たることを指します。
的に当たればど真ん中である必要はありません。
そのため、意味は、予測や見当などが当たること全般を指すものとなります。
予想が当たること、予言が当たつこと、勘が当たること、などが「的中」です。
そして、この「的中」の場合は、良いことにも悪いことにも用いられる言葉となります。
「的中」は、言い換えれば、「命中」や「ビンゴ」、「ヒット」、「大当たり」などと同じなのです。
「的中」の使い方
「的中」は、「的中する」や「的中した」、「的中してしまった」などといった表現方法で用いられます。
「図星」と「的中」の違い
同じ的に当たることから派生した言葉ですが、少し意味が異なる「図星」と「的中」。
「図星」の場合、基本的に相手に対し用いられる言葉で、「図星」と言われたほうは、あまり、良い意味として捉えることはありません。
嫌なところや痛いところを言い当てられた際に用いられる言葉となります。
それに対し、「的中」は、使い勝手が良い言葉で幅広く用いることができる言葉です。
予感や予想が当たれば、「的中」となります。
「図星」の例文
・『母に図星を突かれて、ドキッとした』
・『いつも母が言うことは、図星過ぎて耳が痛くなってしまいます』
・『図星のことを言われ、カッとなってしまいました』
・『あれだけ言い当てられたら、図星だと認めるしかありませんでした』
「的中」の例文
・『彼の悪い予感は的中し、彼女から別れを告げられてしまいました』
・『山勘が的中し、テストで見事、良い点数を取ることができました』
・『競馬で大穴馬券を的中させた父は、上機嫌で家族に焼肉をごちそうしてくれました』
・『残念ながら天気予報が的中し、運動会当日は雨になってしまいました』
まとめ
以上が「図星」と「的中」の違いです。
言われたほうが感じる捉え方にも大きな違いがあるため、正しい使い分けが求められます。