時間の長さを意味する「束の間」と「瞬く間」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「束の間」と「瞬く間」の違いを分かりやすく説明していきます。
「束の間」とは?
「束の間」は、「つかのま」と読みます。
「束の間」の「束」とは、1束、およそ指4本の幅を指します。
この指4本の幅とは、ちょうど、握りこぶし1つ分の幅を指し、その幅ぐらい短いといった表現で用いられます。
このことから、「束の間」とは、ごく短い時間、ちょっとの間、といった意味を持つ言葉となります。
言い換えれば、「束の間」は、「一時」、「一刻」、「短期間」、「一瞬」、「わずかの間」と同じです。
そして、対義語は、いつまでも限りなく続くことを意味する「永久」です。
「束の間」の使い方
「束の間の幸せ」や「束の間の休息」や「束の間の晴れ間」などがあります。
どれも、貴重な時間を強調したものとなります。
「瞬く間」とは?
「瞬く間」は、「またたくま」と読みます。
「瞬く間」の「瞬」には、まばたきをするくらいの短い間といった意味があります。
その意味通り、「瞬く間」とは、まばたきをするくらいの短い時間を意味する言葉となります。
言い換えれば、「一瞬」や「瞬間」、「瞬時」、「即座」、「たちまち」、「あっという間」と同じです。
「瞬く間」の使い方
「瞬く間の出来事」や「瞬く間に過ぎ去る」、「瞬く間に完成する」、「瞬く間に広がる」などがあります。
どれも、短い時間を強調したものとなります。
「束の間」と「瞬く間」の違い
同じ時間の経過を意味する「束の間」と「瞬く間」。
どちらも短い時間を表す言葉です。
そのうえで、何に重点を置くのかといった違いがあり、「束の間」は、短い時間の中で起きた貴重なこと、大切なことに重点を置き、「瞬く間」は、どれだけ短い時間だったのか、といった違い点に重点を置く言葉となります。
このどこに重点を置いているのかといった点が「束の間」と「瞬く間」の違いです。
その違いを踏まえ、どちらが適切なのか考え使い分ける言葉となります。
「束の間」の例文
・『子育てで忙しい私にとって、子供が寝た後、ゆっくりとテレビを見る時間が束の間の休息です』
・『遠距離恋愛中の彼と、束の間の休息を一緒に満喫し幸せでした』
・『無事に進学校に合格することができたのも束の間で、すぐに大学受験に向けた勉強が始まりました』
・『梅雨時の束の間の晴れ間を有効活用し、溜まっていた洗濯物を片付けました』
「瞬く間」の例文
・『悪い評判というものは、瞬く間に広がるものです』
・『育ち盛りの子供たちは時間をかけて作った料理でも、瞬く間に平らげてしまいます』
・『彼女と過ごす楽しい時間は、瞬く間に過ぎてしまいました』
・『瞬く間に雲が広がってきたので、素早く洗濯物を取り込みました』
まとめ
同じ短い時間を指す言葉でも、「束の間」と「瞬く間」は、何を伝えたいのか。
といったことを踏まえ使い分けることになります。