同じ待つ気持ちでも少し意味が異なる「待ちわびる」と「待ち焦がれる」。
この記事では、「待ちわびる」と「待ち焦がれる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「待ちわびる」とは?
気をもみながら待ち続け疲れ切っている様子を表す「待ちわびる」。
来るはずのものがなかなか来ずに不安になったり気をもんだりすることを意味する言葉です。
「待ちわびる」状況は、待ちきれなくて困ってしまうほどで、今か今かと思いながら待っているため、疲れ切ってしまう様子を表します。
このような状況は、「首を長くする」や「首を長くして待つ」、「舌舐りをする」といったものと同じです。
「待ちわびる」の使い方
なかなか来ないものを待つことを意味する「待ちわびる」の場合、「春を待ちわびる」や「到着を待ちわびる」、「帰宅を待ちわびる」などといった形で用いられます。
「待ち焦がれる」とは?
「待ち焦がれる」は、強く待ち望む様子を意味しています。
それは、まるで、身を焦がすほどです。
愛おしい人に会いたい、早く帰ってきてほしい、といった強い気持ちで誰かを待つ状況、何かを待つ状況が「待ち焦がれる」となります。
このような状況は、「心待ちにする」、「期待を寄せる」、「待ち遠しい」といったものと同じです。
「待ち焦がれる」の使い方
強く待ち望む様子を意味する「待ち焦がれる」の場合、「再会を待ち焦がれる」や「発売を待ち焦がれる」、「メールを待ち焦がれる」、「返事を待ち焦がれる」などといった形で用いられます。
「待ちわびる」と「待ち焦がれる」の違い
「待ちわびる」と「待ち焦がれる」は、類語関係にあります。
そのうえで、「待ちわびる」には、不安になったり、気をもんだりする様子があり、「待ち焦がれる」には、そのような様子が加わることはなく、とにかく、非常に強い思いで待っていることを表します。
そのため、同じ待っている状況でも、「待ち焦がれる」の方がより強い思いで来ることを待っていることとなります。
好きな人や特別なことに対しては、強い思いということで、「待ち焦がれる」が用いられ、本当に来るのかと不安になりながら待っている場合には、「待ちわびる」が適した言葉となります。
「待ちわびる」の例文
・『私は、留学していた彼の帰りを待ちわびていました』
・『寒さが苦手な私は、春の到来を待ちわびています』
・『病気になった母が兄の帰りを待ちわびています』
・『父親の帰りを待ちわびている子供たちの姿が愛おしい』
「待ち焦がれる」の例文
・『懐かしい友人との再会を待ち焦がれる』
・『大好きな彼からの返事を待ち焦がれる』
・『妻は、進学のため上京した息子の帰省を息子の大好物を作りながら待ち焦がれています』
・『待ち焦がれていたライブのチケットを入手することができました』
まとめ
以上のように、「待ちわびる」と「待ち焦がれる」は、待っていつ人の気持ちや熱意に応じて、適切に使い分ける言葉となります。