「黙殺」と「無視」の違いとは?分かりやすく解釈

「黙殺」と「無視」の違い言葉・カタカナ語・言語

一見、同じ行為でも、その言葉が意味する重さに違いがある「黙殺」「無視」

この記事では、「黙殺」「無視」の違いを分かりやすく説明していきます。

「黙殺」とは?

「黙殺」とは?

黙って殺すと非常に恐ろしい書き方をする「黙殺」

この言葉自体の意味は、無視して取り合わないことですが、単に知らないふりをすることを意味する言葉ではありません。

「黙殺」の場合、完全に関りを持たないことを意味し、一切、問題としない、特に自分に不都合なことに対して相手にしないことを意味する言葉となります。

そのため、「黙殺」の類語は、「聞き流す」「聞捨てる」「差措く」「蔑する」「閑却」「等閑」などとなります。

「黙殺」の使い方

「黙殺」は、主に「黙殺する」「黙殺された」「黙殺した」といった形で用いられます。

「無視」とは?

「無視」とは?

「無視」には、「視る」という漢字が用いられています。

そのため、「無視」は、視ないと言い換えることができ、意味は、存在価値を認めないこと、あるものをないもののようにみなすこと、です。

そのもの自体の存在価値、その人自体の存在価値を認めないといった意味があり、そこにそのものがあるにも関わらず、意図的に見てみないふりをするといった意味があります。

このように「無視」は、わかっているにもかかわらず、あえて、見ていないふりをするといった意味となります。

そのため、「無視」の類語は、「ないがしろ」「ネグレクト」「放置」「知らんふり」「見て見ぬふり」などとなります。

「無視」の使い方

「無視」は主に「無視する」「無視された」「無視した」といった形で用いられます。

そのほか、「信号無視」「問題無視」「法律無視」などといった類語があります。

「黙殺」と「無視」の違い

「黙殺」と「無視」の違い

「黙殺」「無視」も、見てみないふりをする、相手にしない、といった意味では同じ意味を持つ言葉です。

そのうえで、「黙殺」は人に対してのみ用いる特徴があり、「無視」は、人以外のものにも用いることができる言葉となります。

そして、「無視」に比べ、「黙殺」の方が、より強い意味を持つ言葉となる違いがあります。

「黙殺」の例文

「黙殺」の例文

・『私が提案した案は、上層部は気に入らなかったようで、見事に黙殺されました』
・『上司は、部内で起きた問題を自分の出世のために黙殺した』
・『この問題において、一切の黙殺など許されない気持ちで私は取り組んでいます』
・『自分に不都合なことを黙殺するような上司にはついて行くことはできません』

「無視」の例文

「無視」の例文

・『子供が、クラスメイトから無視をされたと泣きながら帰ってきました』
・『困っている人を無視することができない優しい彼に魅かれました』
・『人の気持ちを無視するような人とは、今後、お付き合いするつもりはありません』
・『この問題は、無視することはできません』

まとめ

まとめ

同じ意味を持つ言葉ですが、用いることができる対象やその言葉が持つ強さが異なるため、適切に使い分けることが大切です。