この記事では、「リスク管理債権」と「不良債権」の違いを分かりやすく説明していきます。
債権にまつわる単語を、楽しく学んでいきましょう。
「リスク管理債権」とは?
「リスク管理債権」は不良債権のひとつ。
何らかの理由があって、銀行に返済されていない債権をあらわしています。
いわゆる銀行にとっての、危険な負の遺産です。
ひと言で「リスク管理債権」といっても、その内容は色々あります。
その種類として破綻先債権、貸出条件の緩和債権、延滞債権、3か月以上延滞債権などがあります。
このうち最も多いのは延滞債権です。
経営がすでに破綻している企業が、銀行への返済ができない状態になっている債権をあらわしています。
この状態がさらに続くと、危険度が上がり「破綻先債権」に切り替わります。
こうしたリスク管理債権がどのくらいあるのか、金融庁は全国の銀行に対して、定期的に情報を公開するように義務づけています。
銀行の経営状態を教えてくれるものが「リスク管理債権」です。
「不良債権」とは?
「不良債権」とは、銀行が回収できなくなった債権のこと。
または、これから回収できなくなりそうな危険な融資をあらわします。
簡単にいうと銀行の融資のうち、将来的に戻ってくる見込みのないお金のことです。
不良債権にはリスク管理債権にくわえて、危険債権、破産更生債権、金融再生法開示債権がふくまれます。
危険債権とは現在は問題ないものの、今後回収できなくなる見通しの高い債権のこと。
そして破産更生債権はもうすでに経営が破綻している、深刻な状態の債権をあらわします。
破産更生債権は外国為替や、仮払い金などを含めたトータルの債権です。
不良債権についても、どの程度銀行が保有しているのか、情報開示することが義務付けられています。
「リスク管理債権」と「不良債権」の違い
どちらも債権にまつわる単語です。
「リスク管理債権」と「不良債権」の違いを、分かりやすく解説します。
・不良債権のひとつが「リスク管理債権」
不良債権は銀行が貸した融資のうち、返ってこないお金、もしくは返ってくる見込みのないお金をあらわします。
そのうちの1種類にあたるのが「リスク管理債権」です。
リスク管理債権は銀行が貸した融資のうち、取引先の事情で返済が滞っている債権のことです。
こうした「リスク管理債権」が全国の銀行にどのくらいあるのか、金融庁では情報公開を広くもとめています。
政府は「不良債権がふくらむことが、日本の経済に悪影響を与えている」と考えているからです。
銀行がみずからの利益のために過剰な融資をおこなわないように、こうした圧をかけています。
まとめ
「リスク管理債権」と「不良債権」の違いを分かりやすくお伝えしました。
リスク管理債権とは、銀行の融資のうち「返済が滞っている債権」のこと。
不良債権はこれから返済不可能になりそうな債権をふくめた、広い意味での負の債権をあらわしています。
違いをおさえて、金融の世界に詳しくなっていきましょう。