組み上げて使う水を指す言葉に「井戸水」と「地下水」がありますがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「井戸水」と「地下水」の違いについて解説します。
「井戸水」とは?
「井戸水」とは、「地下を流れる水脈を井戸を使って汲み上げた水」を意味する言葉です。
「井戸水」は簡単にいえば「井戸を通じて手に入る水」です。
「井戸」とは「地下資源を得るために地面に穴を掘り作られる汲み上げ用設備」です。
一般的に「井戸」という場合は「水を汲み上げるために地中深く掘られた穴とその周囲の設備」を指します。
井戸から汲み上げられた水はすべて「井戸水」です。
天然の水は場所によって成分が異なりますが成分の違いにかかわらず井戸を通じて入手した水であれば「井戸水」になります。
「井戸水」はほぼすべてが天然自然の水なので飲用に適するものもあれば適さないものもあります。
味や風味にも違いがあり美味しい料理や食品加工のために質の良い「井戸水」が入手できるところに店や工場を建てることもあります。
飲用に適さない「井戸水」は農業用水や工業用水などに利用されます。
生活用水としては洗濯や掃除などに利用されています。
江戸時代の江戸の町には多くの井戸がありましたが、江戸にあった井戸の多くは天然水を組み上げるものではなく水道用に引かれた上水道を流れる水を汲み上げるためのものでした。
天然の水を汲み上げない上水道専用の井戸がこれだけの規模で整備されていた都市は世界的に見ても江戸のみです。
「井戸水」の使い方
・『裏庭の井戸で井戸水を汲む』
・『井戸水で冷やしたスイカはとても美味しい』
・『暑い時期でも地下深くから汲み上げる井戸水はひんやりしている』
・『渇水対策に井戸水の重要性が見直されている』
「地下水」とは?
「地下水」とは、「地下にある水」を意味する言葉です。
広義では「地表よりも下にある水」を指しますが狭義では「地下水面より下の帯水層にある水」を意味します。
地下水面とは「地下水の圧力と大気の圧力である気圧がつりあう水平面のこと」で、簡単に説明するならば「自然状態で発生する地中の水面」を意味しています。
地下にある水は地下水面を上限にたまっています。
地下で自然状態において水がたまっている層のことを「帯水層」といい、帯水層にたまっている水が「地下水」です。
「地下水」の使い方
・『地下水を汲み上げて工業用水に使う』
・『無計画に地下水を組み上げると地盤沈下の恐れがある』
・『日本ほど地下水が豊富な国は世界中どこにもない』
・『ミネラルたっぷりの地下水はとても美味しい』
「井戸水」と「地下水」の違い
「井戸水」と「地下水」の違いは「井戸の存在」です。
「井戸水」とは井戸を使って汲み上げた水のことです。
一般的に汲み上げるのは地下の水脈を流れたり帯水層にたまっている「地下水」であり、「地下水」のうち井戸で汲み上げられたものを「井戸水」と呼びます。
「地下水」とは地下にある水もしくは地表に汲み上げられた地下の水を指します。
「井戸水」も「地下水」の一種ですがまだ組み上げられていない地下の水や井戸以外の方法で入手した水も「地下水」に含まれます。
まとめ
「井戸水」と「地下水」は一部意味が重複しているため混乱しやすいですが本来は全く別の水を指す言葉です。
言葉の定義に注意して正しい意味を理解しておきましょう。