この記事では、「欠落」と「欠損」の違いを分かりやすく説明していきます。
「欠落」とは?
一部分が壊れてとれて落ちる、あるべき一部分が抜けているです。
物についてや、人間の感覚や記憶などについていいます。
人間がお互い気持ちよく生活をするためには、思いやる気持ちを持つことが大切です。
たとえば、高齢者や妊婦に電車で席を譲る、優しい言葉をかける、力の弱い人が重い荷物を持っていたら手助けするなどです。
こういったことができる人は、人を思いやる力がある、配慮する能力があるといえるでしょう。
自分は高齢者でも妊婦でも怪我人でもないのに優先席で堂々と座り席を譲ろうとしない、平気で人を傷つけることをいう、こういった態度は思いやる力が欠けているといえます。
これは「思いやりの気持ちが欠落している」「配慮する能力が欠落している」ということができます。
「欠落」の使い方
一部分が抜け落ちている状態を指して使用をします。
人間の感覚、能力、記憶などに使うことが多いです。
「欠損」とは?
「欠損」には2つの意味があります。
ひとつは、本来あるべき物の一部分が壊れてとれるです。
かたい物についていうことが一般的です。
陶器でできているお茶碗を床に落としてしまったとします。
完全に割れた状態にはならなかったものの、お茶碗の縁の一部分が壊れてとれてしまいました。
この状態が「欠損」です。
人間の体の中でかたい部分が歯です。
歯に強い衝撃が加わると一部分が欠けてしまうことがあります。
抜け落ちるのではなく、ある部分だけが欠けた状態が、この言葉が意味するものです。
この言葉は、完全に壊れてしまったことではなく、本来あるべき一部分がない状態を指しています。
もう一つの意味は、決算上のことで、利益を失うことです。
「欠損」の使い方
かたい物の一部分が壊れてとれた状態を指して使用します。
物にも人間の体にも使うことができます。
煎餅はかたいです。
しかし、この煎餅を一口かじって一部分がなくなった、割って一部分がなくなったという状態はこの言葉で表さないことが一般的です。
「欠落」と「欠損」の違い
どちらの言葉にも欠けるという意味が含まれていますが、意味合いが異なります。
「欠落」は抜け落ちていることです。
「記憶の欠落」といった使い方をします。
人間の感覚や精神などに使うことが多いです。
「欠損」は一部分がとれていることです。
特にかたい物についていいます。
「欠落」の例文
・『優しい感情が欠落している』
・『物事を順序立てて行う能力の欠落』
・『欠落を埋める』
・『欠落した部分を補うかのような能力』
「欠損」の例文
・『欠損した箇所を補う』
・『出土した土器の左上部分が欠損している』
・『ある遺伝子を欠損させたマウス』
・『水揚げされたカニの脚に欠損がある』
まとめ
欠けるという意味を持つ点が似ていますが意味合いが異なり、また使い方にも違いがあります。