この記事では、「普通選挙」と「平等選挙」の違いを分かりやすく説明していきます。
選挙にまつわる言葉を学んでいきましょう。
「普通選挙」とは?
普通選挙(ふつうせんきょ)とは、納税額に関係のない選挙制度のこと。
お金持ちであっても、貧しい人であっても、同じように選挙権があることです。
一定の年齢になったら選挙権がもらえることを「普通選挙」と呼んでいます。
歴史の教科書によく出てくるのが「普通選挙法」という法律です。
普通選挙法というのは、1925年に制定された選挙にまつわる法律のこと。
それまでは満25歳以上であることに加えて、15円以上の税金を納めていることが「有権者の条件」として求められていました。
これを撤廃して「満25歳以上の男子すべて」に与えたものが「普通選挙」です。
普通選挙法によって税金の額に関係なく、満25歳以上の男子であれば、誰でも等しく投票できるようになりました。
「平等選挙」とは?
平等選挙(びょうどうせんきょ)とは、1票に与えられた重みが平等であること。
選挙権をもっている国民1人1人に、同じ権利が与えられていることです。
平等選挙の大切さは、日本国憲法に書かれています。
もし平等選挙という概念がなかったら、日本の国は無法地帯になってしまいます。
人によって10票もらえたり、1票しかもらえなかったり、アンバランスな社会が加速していきます。
このようなことが起こらないように、日本の法律では、全国の有権者に対して平等に票を与えています。
最近では「一票の格差」という問題も起こっています。
一票の格差というのは、有権者の数によって、一票の価値が異なること。
住んでいるエリアによって、不平等が起こることです。
最高裁判所はこの問題に対して「違憲状態」と判断をくだしています。
平等選挙が名ばかりの物になっていないか、改めて考える時期に入っています。
「普通選挙」と「平等選挙」の違い
どちらも選挙にまつわる言葉です。
「普通選挙」と「平等選挙」の違いを、分かりやすく解説します。
・普通選挙から、平等選挙へ
普通選挙は1925年、大正時代の選挙について述べたものです。
それに対して平等選挙は、現代の日本における選挙概念をしめしたものです。
時代背景が少しだけ異なるので、整理して覚えていきましょう。
普通選挙はそれまでの「納税額による違い」を解消して、満25歳以上の男子に与えた選挙制度をあらわしています。
平等選挙は現代の選挙における、1票の平等さを表したものです。
すべての有権者は等しく、1票を与えられていることを述べたものです。
まとめ
「普通選挙」と「平等選挙」の違いを分かりやすくお伝えしました。
普通選挙とは1925年に制定された、普通選挙法のこと。
納税額に関係なく、25歳以上の男子に選挙権を与えたものです。
そして平等選挙は、現代の選挙における概念のこと。
どの有権者も等しく票が与えられていることを述べたものです。
違いを知って、歴史に詳しくなっていきましょう。