この記事では、「ブイヨン」と「フォンドボー」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ブイヨン」とは?
「ブイヨン」とは、野菜や肉を鍋で煮込んだときに出る旨み成分を含んだ出汁のことを指し、主にフランス料理ではこのブイヨンをダシとして使い、塩やコショウを入れたり、トマトを入れるなどしてそれぞれ好きな味付けを楽しむわけです。
煮込む時間も好みで決めますが、煮込むほど野菜や肉から旨みが染み出るため、長ければ8時間以上も煮込んで「ブイヨン」を作る人もいます。
野菜の旨みと甘みが強く、肉料理のソースとしても使われている「ブイヨン」は肉や魚などの動物質を野菜と一緒に煮込みますが、多くの量を入れないと濃厚な味になりません。
そのため、日本では玉ねぎや人参、キャベツを大量に入れて、フランスではブーケガルニや赤玉ねぎ、セロリなどをたくさん入れて煮込みます。
「フォンドボー」とは?
「フォンドボー」とは、仔牛の骨付き肉を炒めたものをブイヨンと水を加えてから弱火でじっくり煮込んだものを指します。
煮込むときはセロリや玉ねぎなどの野菜と香辛料を入れて煮込みますが、余分やアクを掬い取り、濁りがないように作らなくてはなりません。
フランス料理店では良質な「フォンドボー」が作れるようになれば一端のシェフとして認められ、調理を任されます。
この「フォンドボー」には白色系と褐色系の2つに別れており、素材を焼くことで褐色になり、生から煮出すものは白色に分類されます。
フランスでは兎や鹿、猪がよく使われていますが、これらを焼くことで褐色系のフォンが作られ、魚や鶏肉では白色系の「フォンドボー」が作られます。
「ブイヨン」と「フォンドボー」の違い
「ブイヨン」と「フォンドボー」の違いを、分かりやすく解説します。
どちらもフランス料理に使われている出汁ですが、「ブイヨン」は野菜や肉を煮込んで出た出汁で、「フォンドボー」は仔牛の骨付をグリルで焼いたものと野菜を入れて煮込む汁という違いがあります。
「ブイヨン」は主にスープのダシとして使い、「フォンドボー」には褐色系と白色系があり、幅広い料理に使われています。
「ブイヨン」の例文
・『フランス料理店では1日かけて弱火で煮込むことで美味しいブイヨンを作り出している』
・『ブイヨンを丁寧に幾工程を施すことでコンソメになる』
なぜ高級フランス料理を出す店でのスープが高いかというと、10リットル作るためには鶏を1羽、牛すね肉を4kgも入れるなど材料費だけでもお金がかかり、さらには監視してブイヨンを作っているからなのです。
「フォンドボー」の例文
・『さらに手間をかけて煮詰めたブイヨンをグラス・ド・ヴィアンドと呼ぶ』
・『野鳥獣のブイヨンをフォン・ド・ジビエと言い、魚や鶏肉を煮詰めたものはフォメ・ド・プワソンと呼ぶ』
グラス・ド・ヴィアンドは何度も漉すことで濃厚なソースが作れるため、かなりの手間隙をかけているのが特徴的ですし、野鳥獣と魚はそれぞれ色が違うブイヨンが出るのが特徴的で、白色系はホワイトシチューに適しています。
まとめ
フランス料理のスープのダシとも言える「ブイヨン」と「フォンドボー」は味の決め手になるため大切にされています。
ちょっとした煮加減や焼き方次第でその味も変わってしまうものですので、人がずっと監視して作ることになります。
手間かけた味を楽しみたい人は本場の味を提供するフランス料理店に行ってみるといいでしょう。