同じ体の部位である「腰」を用いた「及び腰」と「逃げ腰」には、どのような違いがあるのか。
この記事では、「及び腰」と「逃げ腰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「及び腰」とは?
「及び腰」には、2つの意味があります。
1つ目は、不安定な腰つきを意味し、中腰で手を伸ばそうとしてものを取ろうとする姿を意味します。
2つ目は、自信がなさそうにする様子を意味し、遠慮したり怖がったりといった中途半端な態度を意味します。
2つ目の意味には、自分自身の考えや行動に自信や確信を持つことができない状態を指し、どっちつかずの態度を指すものとなります。
このような意味から、「及び腰」は、「弱気」や「消極的」、「他人任せ」、「弱腰」、「受け身」などと言い換えることができます。
「及び腰」の使い方
「及び腰」は、「及び腰になる」と用いるほか、「及び腰ではいけない」、「及び腰になるかもしれない」などといった形で用います。
「逃げ腰」とは?
「逃げ腰」は、今にもその場から逃げ出そうとする腰つきを意味します。
責任などから逃れようとする態度も意味し、決して、良い意味で用いられることはありません。
自分自身の責任からだけではなく、負担になることなどからも逃げだそうとする、とても情けない姿を「逃げ腰」と言います。
このような意味から、「逃げ腰」は、「他人任せ」や「成り行き任せ」、「優柔不断」などと言い換えることができます。
「逃げ腰」の使い方
「逃げ腰」は、「逃げ腰になる」と用いるほか、「逃げ腰になった」や「逃げ腰な態度」、「逃げ腰な敵」などといった形で用います。
「及び腰」と「逃げ腰」の違い
人の態度を示す「及び腰」と「逃げ腰」には、その態度に明確な違いがあります。
「及び腰」は、自信がなさそうにする態度を表し、「逃げ腰」は、責任逃れしようとする態度を表します。
このように、単に自信がないのか。
それとも、逃げようとしているのか。
といった違いが2つの言葉の違いとなります。
「及び腰」の例文
・『彼女との結婚において、いつまでも及び腰でいることはできない』
・『新しい道に進む際、少し及び腰になってしまいました』
・『及び腰の自分がバレないよう、精一杯、自分を大きく見せつくろいました』
・『いざとなると、なぜ、男性は、あんなに及び腰になってしまうのだろうか』
「逃げ腰」の例文
・『私が結婚したいと彼に告白したら、急に逃げ腰になった』
・『夫の逃げ腰な態度が許せない』
・『妻に浮気について問い詰められ、逃げ腰になってしまった』
・『私は、正念場になるとどうしても逃げ腰になってしまいます』
まとめ
以上が、「及び腰」と「逃げ腰」の違いです。
同じ「腰」という漢字を用いるものの、それぞれが持つ意味は異なります。
自信がない様子には「及び腰」。
責任逃れしようとする様子には「逃げ腰」。
この違いに注視し、それぞれ使い分けることが大切です。