頑固な江戸っ子の典型として長い間認識されていた大工という職業ですが、昔は家を建てる際に色々な仕事をする職人のことだったり、そのような職人たちを統括する役目の人でした。
しかし、現在の建築における作業区分で見ると、ちょっと意味が違います。
それでは「大工工事」とはどういう意味でしょうか。
「内装工事」とはどこが違うのでしょうか。
この記事では、「大工工事」と「内装工事」の違いを分かりやすく説明していきます。
「大工工事」とは?
「大工工事」とは、住宅などの建築において「木材を扱う工事」のことを言います。
具体的には柱や外壁を作ったり、コンクリートを流し込む木枠を作ったり、ボード施工などを行います。
木材を扱うということは、ある意味伝統的な建築技法を使うことになるので、大工の世界には今でも古くから残っている徒弟制度のようなものが存在しています。
「内装工事」とは?
「内装工事」とは、建築工事のほぼ最後の段階に行われるもので、主に、「内装の装飾を行う」工事です。
具体的には、壁に石膏ボードや壁紙を貼ったり、壁材を塗ったり、塗装します。
通常はそれらを一人でやるわけではなく、塗装なら塗装職人という、それぞれの専門の職人が担当することがほとんどです。
最近ではリフォームやリノベーションなどの際にも「内装工事」は多く発生します。
「大工工事」と「内装工事」の違い
「大工工事」と「内装工事」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは一般的な建築における専門工事の一つであるという意味では同じです。
大きな違いは扱うものです。
「大工工事」は主に「木材による工事」のことですが、「内装工事」は「内装の装飾の工事」のことです。
この2つは建築業の許可においては明確に区別されるので、例えば木材の加工や打ちつけなどの工事を「内装工事」の認可で行うことはできません。
ただ、一般的な内装の工事に関しては木枠やフローリングの工事が前提になって内装の工事を行うので、同時に現場に入ることも多いと言えます。
「大工工事」の例文
「大工工事」の例文は以下のようになります。
・『大工工事は主に木材を扱う工事のことです』
・『大工工事は建築のさまざまなフェーズで必要になります』
「内装工事」の例文
「内装工事」の例文は以下のようになります。
・『内装工事のメインは装飾にあります』
・『内装工事にはさまざまな種類の専門技術者が必要になります』
まとめ
この記事では、「大工工事」と「内装工事」の違いを、解説してきました。
ここまで説明したように、「大工」という職業は木造建築が主流であった時代には建築工事のメインとなる職人でした。
しかし、現在では、コンクリートや他のさまざまな部材が使われるので、「大工」は昔のような花形の職業では無くなっています。
しかし、木を扱うにはそれなりの経験や技術が必要なので、「大工」のような職人がいなくなることはないでしょう。