昔は、近所に小規模の町工場のようなものがたくさんありました。
その前を通りかかると、中から大きな音が聞こえてきたり、ロボットのようなマスクをつけて、青白い炎を発する道具を使って何かやっているのを見ることができました。
この様子は溶接しているところだったわけですが、溶接する「溶接工」とはどんなものなのでしょうか。
また、「配管工」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「配管工」と「溶接工」の違いを分かりやすく説明していきます。
「配管工」とは?
「配管工」とは、文字通り「管を配置する技術者」のことです。
実際には給排水管、ガス管、空調設備などの配管を行います。
それぞれ内部を通るものが違うので、特殊な知識と技術が必要で、職人としての色合いが濃い職場です。
「配管工」として業務を行うこと自体に資格は必要ありませんが、「配管技能士」の資格は事実上の標準となっており、名刺にも記載されています。
「溶接工」とは?
「溶接工」とは、文字通り「溶接を行う技術者」のことです。
溶接というのは「溶かして接合」するという意味で、実際には部材を加熱したり加圧したりすることで接着します。
一般にはマスクをつけて高温のバーナーで金属を熱している姿をイメージしますが、接合するのは金属だけではありません。
「溶接工」もそれ自体は資格ではないので、誰でも行うことはできますが、危険な作業が伴うので、その作業によって「溶接技能者」、「アーク溶接技能者」、「ステンレス鋼溶接技能者」などの資格を取ることがほとんどです。
「配管工」と「溶接工」の違い
「配管工」と「溶接工」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの職種はともに専門的な技術が必要な職人であることは同じです。
また、ある部分では同じことをする場合もあります。
しかし、基本的には作業する対象が違います。
「配管工」は「配管を相手に」作業しますが、「溶接工」は「物と物を接合する」作業を行います。
したがって、「配管を接合する」作業に関しては両方が関係します。
場合によってはこの交わった作業をするのが「配管溶接工」という役割の人のこともあります。
しかし、この言葉自体は資格で定義されたものではないの、場合によって細かいニュアンスが違うこともあります。
「配管工」の例文
「配管工」の例文は以下のようになります。
・『配管工は、ガス管、給排水管などに関する作業を行います』
・『世界で最も有名なゲームキャラクターは配管工です』
「溶接工」の例文
「溶接工」の例文は以下のようになります。
・『溶接工はとても危険な作業を行います』
・『溶接工が接合するのは金属だけではありません』
まとめ
この記事では、「配管工」と「溶接工」の違いを、解説してきました。
高度成長期以降、多くの町工場がその専門性と高い技術で高品質なものを作っていた時代には、そこで働く技術者は「手に職」を持つ貴重な存在でした。
その後自動化や標準化が進み、多くの技術者が職を失いましたが、今でも彼らの技術は貴重で、有用なものです。
したがって、今後も育ててゆく必要があるのです。