この記事では、「苦痛」と「苦悩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「苦痛」とは?
体に痛みがあること、心につらく思うことです。
家庭環境のことで説明をします。
ある子どもは母親にいろいろなことをいいつけられています。
洗濯をしなさい、掃除をしなさい、食事を作りなさい、買い物をしてきなさいなど、奴隷のように使われているのです。
本当は友達と遊んだり、勉強をしたりしたいのですが、母親のいいつけを守らなければならないため、それができません。
そのため、心につらいものを感じています。
このときの状態を意味します。
お腹がずっと痛くてしかたがなかったとします。
しぶしぶとした耐えられるような痛みではなく、横になっていないとつらいような激しい痛みです。
痛みを我慢することをつらく感じます。
これは肉体的な「苦痛」です。
「苦痛」の使い方
人間に対して使う言葉です。
何をつらく感じるのかは人それぞれなので、ある人にとっては「苦痛」なことでも、ある人にとってはそうでない場合があります。
たとえば、学校が大っ嫌い、勉強が大嫌いな人にとっては学校に行くことは「苦痛」かもしれませんが、学校が大好き、勉強も大好きだという人にとっては「苦痛」ではないかもしれません。
「苦悩」とは?
あれこれ思いわずうことです。
楽曲作成のことで説明をします。
明日までに楽曲を完成させなければなりません。
しかし、まだ少しもできておらず、明日までに相手に提出することは難しそうです。
締め切りに間に合わせないと相手に迷惑をかけてしまいます。
そして、自分の評価に影響を与えます。
どうしても明日までに完成させなければならないのに、それが難しく、精神的に苦しんでおり、どうしたらいいのかいろいろと悩んでいます。
この状態です。
今度は商品仕入れのことで説明をします。
あるカフェでは提携している農家から野菜を仕入れています。
あるとき、台風の影響で提携農家の野菜がすべてダメになってしまいました。
それによって、カフェは野菜の仕入れができなくなり、野菜を使った料理作りに困りました。
どこから仕入れたらいいのか、どうやって料理を作ったらいいのか、いろいろと悩んで苦しんでいます。
店を閉めたら収入に影響があるので、それはやりたくありません。
そうかといって、仕入れるものがないのに店を開くことは難しいです。
どうしたらいいのかあれこれ考えて困っています。
このさまを意味する言葉です。
「苦悩」の使い方
人間の心について使う言葉です。
「苦痛」と「苦悩」の違い
苦しみという点が似ている2つの言葉ですが、意味合いが異なります。
前者は物質としての体、人間の心に我慢できない苦しみがあることです。
肉体的なことにも精神的なことにも使います。
後者は心のつらさです。
肉体的なことには使用しません。
まとめ
同じ漢字を1字使用しており、意味も似ていますが、体という物質についての意味なのか、見えないものについての意味なのかという点に違いがあります。