類まれなる才能を持つ人間を言い表す言葉は多く存在しており、それらは非常に混同して使われがちです。
今回はその中の2つについてご紹介したいと思います。
この記事では「秀才」と「俊才」の違いを分かりやすく説明していきます。
「秀才」とは
これは『学問の才能のある頭のよく優れている人』を表す言葉です。
ポイントは『学問』という部分にあります。
これは面白い言葉の成り立ちがあります。
その昔中国では科挙という官吏、つまり国家公務員の様な仕事につく時に受ける試験科目の一つのことを指し、それに合格した人間を指すようになったとされています。
それが明や清の時代には府や州、県学の在学生を指すようになり、これから『学問や勉強が優れている人』という意味を表す言葉になりました。
実際、英語辞典でこの『秀才』を調べると『Talented student』と『学生』という学問や勉学に関わる単語が使われています。
『秀』という漢字を一つとってもこれが成績の段階を表す言葉になっており、今でも『秀、優、良、可』という段階をご存じの方も多いのではないでしょうか。
「俊才」とは
まず読み方は『しゅんさい』と言います。
これは『並外れて優れた才能、その持ち主』を指す言葉です。
どちらかというとあらゆることに対して使える言葉であり、例えば様々なことに優れた才能を持つ場合も『俊才』と言いますし、ある一つの分野に対して優れている場合も『俊才』を使うことができます。
そういった意味では非常に使い勝手のいい言葉であることがお分かりいただけるはずです。
しかしながらあまり聞いたことがないという方も多いと思います。
実は『天才』という言葉とほぼ同義であることが理由です。
通常は『天才』という言葉に置き換えられ、話し言葉で使われることはほとんどないのも特徴の単語です。
「秀才」と「天才」の違い
この二つは『学業に優れている人物』か『天才とほぼ同義語で何等かの分野に優れている人物』かという違いではっきりと分けることができます。
また、『秀才』とは話し言葉でも書き言葉でもあるのに対して『俊才』はあまり見かけず、ほとんどの場合は『天才』に置き換えられているというのも面白い違いです。
「秀才」の例文
・『高橋さんは学生時代から秀才として鳴らしていた』
・『持田さんは特に秀才の誉れが高いことで有名である』
・『秀才教育の賜物なんかではなく、ひたすら努力を重ねただけだ』
「俊才」の例文
・『あのチームにはたくさんの俊才がそろっている』
・『俊才と言われた彼がこの様ななつまらないミスをするのは想定外だった』
・『鶴岡さんの人を見抜く才能はまさに俊才と言っても過言ではない』
まとめ
如何でしたでしょうか。
『秀才』は『天才』とよく比較され、『努力をして獲得した才能』とよく間違えた認識がされがちな言葉ですが、実は中国の試験から来ている面白い背景を持つ単語であること。
また、『俊才』は『天才』と同義語であり、あまり話し言葉では使われない単語であることは意外ではなかったでしょうか。
これ以外にも『鬼才』、『奇才』、『偉才』など様々な『才能』に関わる言葉がありますので是非調べてみてください。