この記事では、「理想気体」と「実在気体」の違いを分かりやすく説明していきます。
理科の間違えやすい単語を、正確に覚えていきましょう。
「理想気体」とは?
理想気体とは、分子の大きさや分子間力がないもの。
気体の状態方程式が成り立つ、理想的な気体をあらわしています。
いわゆる「理論上では、こうなります」と体裁をととのえたものが理想気体です。
理想気体は実際にはあり得ない気体なので「仮想気体」と言いかえできます。
仮想空間のみ存在するもの、実際には存在しないものが理想気体です。
理想気体には分子そのものの重さ、つまり体積がありません。
また分子間力もないので、圧力に変化があったとしても凝縮しません。
そのため「PV=nRT」という気体の状態方程式が、どんなときにも必ず当てはまります。
ちなみに状態方程式は1920年代にオランダの物理学者が編み出したもの。
今では科学者の誰もが知る方程式になっていますが、当時は大きな反響を呼び、ノーベル賞まで獲得しました。
状態方程式を成り立たせる、優等生の気体が理想気体です。
「実在気体」とは?
実在気体とは、分子の大きさや分子間力があるもの。
気体の状態方程式がまったく成り立たない、実際の状態にちかい気体です。
実体気体は現実にある気体なので、色々な変化も起こります。
たとえば温度を下げたり、圧力を高めたりすると、実在気体は凝縮し始めていきます。
そのためリアルな空間にいて、変化するものが実在気体です。
実在気体では分子の大きさである、体積がその環境によって変わっていきます。
そのため常に変わらない理想気体と、ずれが生じてきます。
実際に理想気体と実在気体のグラフを比較してみると、その値が大きくずれていることが分かります。
状態方程式に近づけるためには、低圧もしくは高温にしてコントロールをおこなっていきます。
「理想気体」と「実在気体」の違い
どちらもペアで覚えたい単語です。
「理想気体」と「実在気体」の違いを、分かりやすく解説します。
・方程式が成り立つのは「理想気体」
理想気体は「PV=nRT」の方程式が当てはまる、永久に変化しない気体のこと。
分子の大きさなどを無視した、仮想空間の気体です。
実在気体は、分子の大きさにバラつきがある、実際に存在しうる気体になります。
そのため状態方程式が成り立つのは理想気体、成り立たないのは実在気体です。
また実在気体を理想気体に近づけるためには、温度を上げるか圧力を下げていく処置をおこないます。
こうした処置をおこなうと、分子間力の影響を受けにくくなるからです。
まとめ
「理想気体」と「実在気体」の違いを分かりやすくお伝えしました。
理想気体とは状態方程式が成り立つ、理想的な気体のこと。
分子の体積などを無視した、仮想の気体です。
一方で実在気体は、状態方程式が当てはまらない自由な気体のこと。
理想気体のグラフと、ずれが生まれる気体をあらわしています。