この記事では、「悪辣」と「悪質」の違いを分かりやすく説明していきます。
「悪辣」とは?
他人をいたわる心がなく、広い心で受け入れることがなく、性質が悪いことです。
心がねじくれているようなことを意味します。
ラグビーの試合のことで説明をします。
ラグビーではタックルをすることは基本的には禁止されていません。
しかし、やり方が決められており、肩より上にタックルしてはいけない、相手がボールを手放した後にタックルしてはいけないなどの決まりがあります。
そういった決まりを知っていながら、相手にタックルをしていった選手がいたとします。
それによって、タックルを受けた選手は大きなケガをしてしまいました。
縫わなければならず、1か月以上も療養をしていないといけないようなケガです。
心がねじくれていなければ、ルールを守ってプレーをすることでしょう。
心がねじくれていて、相手をいたわる心がないため、ルールを無視したプレーをしたと考えられます。
このルール違反をした選手の行為は「悪辣」だといえるでしょう。
「悪辣」の使い方
他人をいたわる心がなく、性質が悪いことを指して使用をします。
人間の性質について使用することが一般的です。
「悪質」とは?
「悪質」には2つの意味があります。
ひとつめは品物の質が悪いことです。
何がよいのか、何が悪いのか明確な基準はありませんが、人がケガをするような品物は質が悪いといえます。
硬貨のことで説明をします。
ある硬貨は銀が80%以上含まれているものが良質とされていました。
ところが、銀が40%しか含まれていないものが発見されました。
良質とされているものの半分しか含まれていないのです。
これは質が悪く、この言葉が意味しているものになります。
もう一つの意味は、性質が悪いこと、またそのさまです。
公園に毒物入りの食べものを置いた人がいたとします。
この食べものを猫が食べてしまい、その猫は非常に苦しい思いをしました。
毒入りのものを食べたら苦しむことはあきらかです。
それなのに、危険なものを公園に置き、それによって猫が苦しんでいます。
これは「悪質」な行為といえます。
「悪質」の使い方
品物の質や、人や事柄の性質が悪いという意味で使用をします。
「悪辣」と「悪質」の違い
性質が悪いという意味が似ていますが、「悪辣」は相手を思いやる心がなく、広い心で受け入れることがないという意味も含まれています。
また、「悪質」には品物の質が悪いという意味もあります。
「悪辣」の例文
・『悪辣な方法』
・『悪辣な手口』
・『その手法は悪辣だ』
・『悪辣な行為』
「悪質」の例文
・『悪質ないたずら』
・『極めて悪質だ』
・『悪質業者』
・『悪質な製品』
まとめ
性質が悪いという意味が似ていますが、「悪辣」は相手を思いやる気持ちがなくという意味が含まれていることや、「悪質」は品物の質の意味もある点が2つの言葉の違いです。