「厭世主義」と「虚無主義」の違いとは?分かりやすく解釈

「厭世主義」と「虚無主義」の違い言葉・カタカナ語・言語

世の中には色々な価値観がありポジティブなものからネガティブなものまで幅広く存在します。

ネガティブな価値観としては「厭世主義」「虚無主義」が有名ですが、この2つは意味が少し異なるので注意しましょう。

この記事では、「厭世主義」「虚無主義」の違いを分かりやすく説明していきます。

「厭世主義」とは?

「厭世主義」とは?

「厭世主義」とは英語でペシミズムと記載されるものであり、現在起こっている物事や住んでいる世界に対して嫌気がする心境を表す言葉です。

厭世的という言葉は世界が悪であり悲惨なものと見なす時に使う言葉であり、これは世界に対する不合理さを嘆くものでもあります。

個人が世界大して悲しみを抱く時や悲観的に物事を考える時にも使うことが可能ですが、より大きな観念で世界を憂う時や哲学者の分析においても「厭世主義」は使われます。

「厭世主義」の反対語としては「楽天主義」があり、こちらはオプティミズムという言葉で知られています。

「虚無主義」とは?

「虚無主義」とは?

「虚無主義」は英語でニヒリズムと記載されるものであり、世界や人間などすべての存在が虚無であると判断してその価値を全て否定する考え方です。

これらの価値は人間の過去と現在に対して適応されるものであり、未来に関しては様々な説が存在します。

「虚無主義」は哲学者であるニーチェによって広く知られるようになりましたが、彼は今までの価値観が全て否定されることから考え始めるべきだという説を指示しました。

「消極的虚無主義」は全ての価値が無意味になったことで人や弱くなってしまったと考える説です。

「積極的虚無主義」は人間がより創造的になれば過去の価値観は否定され無価値になるのは当然であり、より積極的に創造的な行動や態度を取るべきだという説です。

「厭世主義」と「虚無主義」の違い

「厭世主義」と「虚無主義」の違い

「厭世主義」とは世界に対して嫌気がさす心境を表すものであり、これはメジャーな物事や自分が属している世界や集団に対して使うのが特徴です。

そのために自分の世界の外にある価値観や自分の目を覚ませてくれる存在に対しては価値を認めることもあります。

「虚無主義」とは例外なく人間の過去や現在全てを価値がないものだと判断します。

価値観の否定によって悲しむこともあれば、人間は創造的になることで必然的に価値を破壊して虚無にするものだという説も存在します。

「厭世主義」の例文

「厭世主義」の例文

・『スタグフレーションによってその国は厭世主義が広まっている』
・『厭世主義は多くの場合貧困や戦争から発生する』

「虚無主義」の例文

「虚無主義」の例文

・『テロリストは虚無主義を掲げており、それ故に自爆テロも辞さない考えなのだろう』
・『哲学者が唱える虚無主義はただの諦観だと思っていたが、どうも違うものだと気が付いた』

まとめ

まとめ

貧困、不況、戦争などによって世界が嫌になったりすべてが虚無に感じる人は歴史上でも多く存在しました。

「厭世主義」「虚無主義」も歴史は繰り返すものとして現代でも所々で発生して、人々を魅了しています。

もちろんこれらに抵抗する哲学も現代では生まれており、今日でもそれぞれの説は議論の的になっています。