この記事では、「造形」と「造型」の違いを分かりやすく説明していきます。
「造形」とは?
造形とは、ぞうけいという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば分かる事ですが、物をこしらえるといった意味の造の漢字に、かたちや姿といった意味がある形の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ造形は、形のあるものをつくり出すという意味を表すのです。
「造形」の使い方
造形は、自由に形をつくるという意味を持つ言葉として使われています。
ただし何かを見てそれを真似て製作するという場合には、この造形という言葉は当てはまりません。
何の縛りもなく、自らが思い描いた形をつくり出す事をこの造形という言葉を使って表現するのです。
なので彫刻や或いは建築に関連した言葉として、この造形という言葉が使われる事が多くなっています。
「造型」とは?
造型とは、ぞうけいという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば理解出来る事ですが、つくるとか物事を仕上げるといった意味を持っている造の文字に、基準となる形やいがたといった意味を有している型の文字を加える事で誕生した言葉となっています。
そのため造型は、ある形をつくり出すという意味を示すのです。
「造型」の使い方
造型は、何らかの模範になるものを真似たり、当てはめてつくり上げる、という意味を表現する際に用いられる言葉となっています。
例えば学校の美術の授業等で、先生のお手本を見ながらそれを真似てつくるという時に、この造型という言葉を使用する事が可能です。
この様に造型は模範となる物があり、それに如何に近付けてつくり出すかという行為を示します。
つまり造型は、創造性よりも再現性を重視する行為となっているのです。
「造形」と「造型」の違い
造形と造型の文字表記を見比べれば、2文字目の漢字が形と型という明らかな違いがある事に気付く事が出来ます。
所が最初の文字は同じ造の漢字であり、しかも共に、ぞうけいという同じ読み方をする点がややこしい部分です。
ただし漢字の違いから、表す意味合いのニュアンスには相違点が見られます。
まず造形は、形あるものを自由につくり出すといった意味を表す言葉です。
一方の造型は、とある形をつくり出すという意味合いを持ち、模範やお手本を真似てつくるという意味を含んでいます。
「造形」の例文
・『この作品の造形美を見れば、彼の持つ創造性の高さが理解出来ます』
「造型」の例文
・『うちの工場では造型機を用いる事で、大量生産を実現しているのです』
まとめ
2つの言葉は、どちらも最初に造という同じ漢字が使われており、同じ読み方をする言葉同士です。
その上、形をつくるという同じ様な意味を持っている等、混同する恐れのある組み合わせの言葉と言えます。
とはいえ2文字目に形と型という漢字の違いがある事で、示す意味合いには違いも見られるのです。
ちなみに造形は、縛りがなく自由かつ創造的に形をつくり出すという意味を所有しています。
逆に造型は、お手本や模範を真似る事で形をつくる、という意味に用いられるのです。