人やものに対する気持ちや行動を意味する「愛着」と「依存」は、何がどう違うのか。
この記事では、「愛着」と「依存」の違いを分かりやすく説明していきます。
「愛着」とは?
なれ親しんだものに深く心が引かれることを「愛着」と言います。
人だけではなくものに対してもなれ親しんだ結果、自分にとって特別なものだと感じ離れることができない、愛おしくて仕方がない、と感じる気持ちが「愛着」です。
「愛着」の場合、短期間で気づき上げられるものではなく、一定期間、親しんだ結果のもと、「愛着」という気持ちが生まれます。
「愛着」は、言い換えれば、「愛執」や「執心」、「慈しみ」、「情愛」などと同じです。
「愛着」の使い方
「愛着」の場合、「愛着のある」や「愛着を持つ」、「愛着が沸く」、「愛着を深める」、「愛着を感じる」、「愛着が強い」などといった形で用います。
「依存」とは?
他に頼り、存在、生活することを「依存」と言います。
その度合いは非常に高く、あるものに頼らなければ日常生活を送ることができないほどの肉体的や精神的な苦痛を味わうものとなります。
そのため、病気の一種として取り扱われることもあります。
「依存」は、言い換えれば、「よりどころ」や「しがみつく」、「すがる」、「寄り掛かる」などと同じです。
「依存」の使い方
「依存」の場合、「依存する」といった使い方のほか、「依存症」や「依存心」といった形で用います。
「依存症」と用いる場合は、「アルコール依存症」や「スマホ依存症」などのように何に「依存」しているのかを示す使い方が行われています。
「愛着」と「依存」の違い
「愛着」も「依存」も特定の人やものに対し、執着するといった意味もあります。
そのうえで、「愛着」の場合、良い意味でその人やものに特別な感情を持つことを意味し、「愛着」することで、害を与えることはありません。
それに対し、「依存」の場合は、その人やものに頼りすぎる傾向があり、その人やものがなければ、日常生活も送ることができないほどの状態を示します。
そのため、「依存症」という言葉が用いられているのです。
「愛着」の例文
・『子供の頃から使っていたタオルケットに愛着があり、ボロボロになっても捨てることができない』
・『夫は車に対する愛着が強く、常に眺めることができるようにとインナーガレージのある家を建てました』
・『決して、可愛くはないけれど、どこか愛着が沸く物ってありませんか』
・『亡くなった母からもらったものだけに愛着があり、手放すことができません』
「依存」の例文
・『食事の時もスマホを手放すことができない夫は、スマホ依存症です』
・『私は、子供のころ、アルコール依存症の父に苦しめられました』
・『恋愛依存症の彼女は、常に恋をしていないと生きていない性格です』
・『私は、完全に彼に依存してしまっている』
まとめ
同じ執着するといった意味でも、「愛着」と「依存」には、以上のような大きな違いが存在します。