日本語には、色々な専門用語があります。
この記事では、「ムード」と「モダリティ」の違いを分かりやすく説明していきます。
正しく理解していきましょう。
「ムード」とは?
ムードとは、雰囲気のこと。
「その場の状況」や「話し手が思っていること」をムードと訳します。
いいコミュニケーションを取ろうと思ったとき、無視できない言葉のひとつになります。
たとえば「この本を読みます」という文があったとします。
ここに「話している人の気持ち」を入れていくと、このようにこの文は変化していきます。
「この本を読みなさい」そして「この本を読むかもしれない」さらに「この本が読めたらいいのに」。
このように話し手の気持ちが入っていくものを「ムード」といっています。
ムードを絡めた文にすると「~しなさい」「~かもしれない」「~だったらいいのに」のように、話している人の感情がこもった文になります。
話し手の気持ちが透けて見えるものが「ムード」です。
「モダリティ」とは?
モダリティとは、感じ方のこと。
「話している人が、そのように断定していること」をモダリティと呼んでいます。
こちらもムードと同じように、日本語を勉強する上で欠かせない表現法となります。
たとえば「この車を運転します」という文があったとします。
ここにモダリティの技法を入れ込んでいくと、文はこのように変わっていきます。
「この車を運転できる」そして「この車を運転しなければいけない」さらに「この車を運転してもいい」。
このように話し手の判断や思いが、入っていくものがモダリティです。
モダリティを意識しながら文を組み立てていくと「~できる」「~ねばならない」「~してもいい」などの可能や義務をあらわす文をつくっていけます。
「ムード」と「モダリティ」の違い
どちらも日本語の文法を考えたとき、欠かせない表現です。
「ムード」と「モダリティ」の違いを、分かりやすく解説します。
・概念は同じもの
「ムード」と「モダリティ」はどちらも、話し手の主観や態度をあらわす言葉です。
そのため文法の本によっては、ムードとモダリティを同じ扱いとして捉えている本もあります。
またモダリティは、対人的モダリティと対事的モダリティに分かれるなど、様々な種類に分類されることもあります。
対人的モダリティが「相手に対する働きかけ」であるのに対して、対事的モダリティは「話し手自身の気持ち」を伝えるものです。
広い意味で捉えたものがムード。
より狭い意味で分けていけるものが、モダリティです。
まとめ
「ムード」と「モダリティ」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも日本語の文法をあらわす言葉で、話し手の感情や態度をあらわしたもの。
モダリティは、より広い意味で使います。
ムードとモダリティを上手に駆使すると、こちらの気持ちを上手く伝えていけます。
正しい意味を知って、コミュニケーション能力を高めていきましょう。